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 ▼ ピエール・ズッカ『ロベルトは今夜』 (78 仏)

 原作は『わが隣人サド』のかのピエール・クロソフスキー。ずばり変態です。そのクロソフスキーの『歓待の掟』。変態だからして、自分でしっかり主役のオクターブ演ってしまってんだから。監督はピエール・ズッカとなってるけど、実質クロソフスキー自身が監督もやってんでしょ。
 まずはずばりどんなのかと言っておくと、自分の嫁さんを他の男に姦らせて、とこれはよくある話。それだけなら、驚かないです。このロベルトは、実際にクロソフスキーの嫁さんなのだ!
早い話が夫婦二人の間の性的嗜好を白日の下に曝した。それも70を越えてから。なんてこったい。あーついてけねぇぇぇ(^_^;A
 そのものずばりの表現はまったく皆無だけれどエロさにかけてはさすが一級品。終章でやっと乳首が見えるんだけれど、その乳房は意外ときれい。だから、あんまり若くてぴちぴちしたきれいどころなんてのを期待したらいけません。あくまでヒトの嫁です。でもあの乳首に吸い付くとこなんてエロいよなぁ。
 それはそれとしてますます変態だというのは、掌フェチですね(^_^;A そういうのもありなのだ。脚フェチだとか、尻フェチだとか、あるんだろうけど、をい、をい、あるんだろうって、あたしゃ知りませんけどと予防線張ってんじゃないよ。しっかりフェチという点では認めておきます。背中フェチだったり、触感フェチだったり、なわけだから、この掌フェチというのにはまたひとつ発見があったって喜んで、一度試してみます。はい。
 で、ネタバレばしばしで行ってしまいますが、
 体操の平行棒ってああいう使い方があったのかとこれまた発見。だいたい、体操の器具ってのは非常に無機的な分ヤバいよなぁ。ふんふんと、平行棒に両手を縛りつけて、ずばっと引きずり下ろすところなんて、あうぅぅーっ来ましたねぇ。そこでいわゆるフツーに考えられる変態行為に突入するかと思いきや、ここで掌フェチ全開というのには脱帽。あの舐め方のいやらしさったら極上品。ちょっとそのケがあったらきっとじっとり濡れてくることまちがいなし。でも舐められるほうはともかく掌を舐めるだけ舐めといて失神するかね。
 赤鉛筆を立てて指を滑らせるシーン、とかエロいねぇ。それとか、聖櫃?に手を入れたときに中からぎゅっと捕まれたりするところてんあんてじゅっと来る。

 エロさばっかりれびゅってるけど、それなりにおもしろい。バックの音もね、ジャズって見て、これがまた、時代背景なんかと関係なく映画が製作されたころのバリバリの、たぶんフランスのジャズだと思うんだけど、かなりアート・ジャズっぽい音だというのがむちゃうれしい。クロソフスキーの年老いても若さというのを感じてしまう。こういう爺いになりたいぜ。
 あー、でも原作も読んでないから、元からこういう仕立てになってということもあるかもだけれど、要は映画(物語)全体が、いわゆる額縁への嵌め込みとなってて、その中から溶けだした現実と虚構のせめぎ合いってわけだろうけれど、ま、そういうところはクロソフスキーのお遊びってことで見てたほうが無難かも。


 ちなみにこのクロソフスキーは今年2001年8月12日に実弟バルビュスを追うように亡くなった。96歳。 良き好色爺に冥福を

★★★☆  


2001年11月19日(月)
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