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■ ▼ レオス・カラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』 (83 仏)
いきなり、こそばゆくなるような。。。。自分がかつてあった青臭さを恥ずかしく思ってしまう。そんなところをぐさっとこられたら身構えてしまうでしょ。ただそういうふうに思ったのも10数年前に初めてこれを見たとき。いまはそれはそれでいいんじゃないと、これはもう開き直ってるというのでしょうか。だってもうこの年まできたら開き直ってないと恋のひとつもできやしません。そう、いままさにボーイ・ミーツ・ガール それでも相変わらず気恥ずかしいといえば気恥ずかしいんだけれど、でも 「いい夢は実現するよりもう一度見直したほうがいい」 なんてぐさっと来るよねぇ。困ったもんだわ。壁にかけられた絵をはずすと、その裏にはパリの地図があって、やっちゃってるんだよなぁ。誰だ、地図に旗立てようなどというのは。あーん、だからぁ、こういうのは第三者から見ると、何やってんだぁとか、夢からさめたときに恥ずかしく思ってみたりするんだけれど、いくつになっても、ボーイでいたいと、そしてガールに会いたいと。ありゃ、映画のれびゅじゃないな。ま、いっかぁ。 挿し挟まれてるいくつかの話があるでしょ。例えば、手話で語られる話。あれなんかは、ちょっとレオス・カラックス22歳のデビューとは信じられない、いいとこだと思う。逆にドニ・ラヴァンがエレベーターで上がっているとき、まったく別の声で、フェラチオ、ん?あれ、指に唾をつけてって、男と女の話し声を重ねてるわけだけれど、そういう話をもってくるところが青臭かったりする。映画の技巧としては面白いんだけれど。 ふられたボーイが、男と別れたばかりのガールにミートして、それが結構意外な結末になってしまう。この意外な結末というのがこれまたフランス映画っぽい。というふうに、ストーリー的には非常に単純なのに、そこにさきに上げたような一瞬無関係のような話がちりばめられていくところが、この映画の面白さ。あなたもコップの割れたところから飲むのねという話なんかすごく好きだな。それとなんといってもミレーユ・ペリエがタップ踏んでるシーンが好き。 ミレーユ・ペリエの裏庭だとか、橋の上のキスシーンだとか、技巧に走り過ぎといえば走り過ぎなところがあるけど、このあとに続く『汚れた血』、『ポンヌフの恋人』を考えれば、この青臭さ、若さで突っ走るのもいいもんだなと思えるのでした。
★★★★☆
2001年11月28日(水)
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