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■ ▼ アニエス・バルダ『アニエス・vによるジェーン・b』 (87 仏)
アニエス・バルダはかの『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミの嫁さん、そしてジェーン・バーキンはかのセルジュ・ゲンズブールの元嫁さん。嫁さんどうしがよって作ったドキュメンタリータッチの映画と思ったらもう大変。この女2人、タダモノじゃねぇ。 アニエス・バルダというのは、ボクが高校時代、というからもう30年以上前に観た『幸福』の監督。この映画は一見、ごくふつうのメロドラマであったけれど、その映像のきれいさにびっくりした、というか、ボクのフランス映画萌えだった。 かたや、ジェーン・バーキンはというと、アントニオーニの『欲望』でヘア出したヌードモデルで映画デビュー。でもボク、『欲望』を観たときそれがジェーン・バーキンだと知らずに観てた。しかし調べてみたら、このジェーン・バーキンという女、見た目よりすごい人生だなぁ。 当時売れ売れのルノー・ベルレーと『カトマンズの恋人』で恋人やってたんだ。全然知らなかった。これはくだらない映画で、ただのルノー・ベルレーを使いましたというだけのしろもの。なんでそんなのを覚えてるかというのはおいといて、それでもこの『カトマンズ〜』にゲンズブ−ルも出てたってんだから。 ゲンズブールとも別れたあとに、くっついたのが、なんとこないだ書いたばかりの『ふたりだけの舞台』の監督ジャック・ドワイヨンだってんだからどないなっとんねん。
前置き終わり。 そんなヌーベルバーグずぶずぶの女二人が作ってる映画。といってもこの撮影でジェーン・バーキンちょうど40歳を迎える。40歳なんて、おばはんやんというのは、君、まだケツが青いねん。40代の女はこわいよぉ。身をもって語る40女の怖さ。(また横にそれてきてるなぁ(^_^ゞ) 本題に戻って。。。 俳優と監督というそのあまの立場に立って、そのままで、映画を作っていく二人の会話が基本の流れ。そこに、何本も織込まれるショートストーリー。これが、さすがアニエス・バルダと思わせるくらいいいのだ。文句つけるとしたら、きれいに撮りすぎ。アニエス・バルダに限ったわけではないんだけど、こうした映像作家と言われる監督たちは、絵画にすごく影響されているのだなと思う。絵画に対しての造詣がバックボーンにあって創りだされる映像なんだとあらためて感じてしまった。だから観る側に対してもある程度のレベルを要求されるわけ。 ストレートに絵画の中の人間に、生身の俳優を置き換えて、その絵画からのインスピレーションを見せていく。たぶん、あれはマハでいいんだよね、違うたら恥ずかしいなぁ、そのマハをジェーンに置き換えて、まずは着衣のマハから始まって、次に裸のマハではジェーンの足の指の先から、彼女の体の線に沿ってなめるようにカメラが動いていくのには思わずため息もれてしまう。これがスタートで、「何なんでしょ、この映画?」というところか一気に二人の世界に引きずり込まれている。 もちろんゲンズブールとジェーンのフィルムもサンプリングされるし、二人の息子シャルロットも出てくる。うーん、そうだなぁ、ジェーンとゲンズブールの関係を観てると、メープルソープとパティ・スミスを思い浮かべてみたりもしてました。 『百一夜』観たい。
★★★★☆
2001年12月13日(木)
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