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 ▼ ジャン・オーレル『恋のマノン』 (68 独・伊・仏)


 いきなり日本の空港のシーンから始まる。日本語のアナウンスが流れておよっと思ってしまう。をいをい、ほんとに日本かよ。日本からヨーロッパまでファーストクラスに換えるのに15万円だとか、な、なんちゅう時代や。よく考えたら1ドル360円の時代。空港で出会ったサミー・フレイとドヌーブの甘い、あまぁーい恋物語・・・・と思うたら大間違い。は?これってもうほとんどコメディーでしょ。コメディーと思って見たらとてもおもしろい。日本からパリからストックホルムからニースと、恋のドタバタ劇。そうと見た。
 マノンから連想できるように原作は『マノン・レスコー』 原作読んでないから、ん?読んだんだっけ。読んだとしても覚えてない、とにかくわからんけど、大筋は原作通りで、美貌を武器に、オヤジ連中から金をまきあげては優男グリュー(サミー・フレイ)に貢ぐ、をっと貢いではない、それを資金に優男と遊ぶ娼婦マノン。貢ぐだの、じめじめした恋愛が語られるのでなくて、あっけらかんとしてるとこがいい。そんな女に振り回される男の悲劇、じゃなくて喜劇だって、これは。なんか原作だとグリューの真剣さにマノンも目覚めていくとかなってたような、あ、男が落ちぶれてって最後には二人とも死んでしまうのか。あ、そうじゃないね、この映画の『恋のマノン』のほうは。ラストもあくまであっけらかんとしてるところがよろし。グリューの方もマジに惚れてんだかどうだか、たまにはこういう男と女というのがあってもええでしょ。しまいにゃ君ら血ぃみるぞ。
 ね、そう観るとお気楽に観てられるでしょ。ほんとドヌーブ絶頂のときで、お人形さんで済ませておかないところはさすが。それでもしっかり、ドヌーブにはあれやこれや手を替え品を替え、見せてくれるのもいい。
こういうふうにふっと肩の力を抜いて、ぼけーっと映画を観るのもいいもんだ。
 ニースの別荘?だかでふっと犬の狆が歩いて横切るのがおっされぇー。あ、それとダンスホールで踊るエキストラの女、あれはたぶん日本人、ビーチクすけすけ。とても時代を感じさせてくれるって。あ、そうそうドヌーブのファッション、やっぱりいいです。それ見てるだけでも十分。

★★★  



2001年12月27日(木)
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