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■ ▼ ヴィム・ヴェンダース『エンド・オブ・バイオレンス』 (97 独)
見始めてから、をいをい、何を借りてきたんだよぉーとビデオ引っこ抜いて確認した。紛れもなくヴィム・ヴェンダースだ。しかしタイトルからして『エンド・オブ・バイオレンス』ってなぁ。臭い。らしからぬタイトル。 「こんなことならヨーロッパで撮ってればよかった」わかってんだったら、端からそうしなさいっていうの。何もわざわざこういうの見てまで確認しなくてもわかってんだし、やるんだったら、開き直って、セックスシーンだってもっとはっきり見せてくれればいいのに、1シーンだけだでよ。をいをい。アンディ・マクダウェルにしてもね、いちおうラインはきれいなんだけれど、あの豊満さはハリウッドでしょ。ボクは、ノー・サンキュー。 ヴィム・ヴェンダースがハリウッドに対するアンチテーゼとして、敢えて、ハリウッドの俳優達を使い、ハリウッドに仕立てあげた。あのちくちくねちねちとしたオヤミがなかったら、立派にハリウッドだって思ってしまう。ここにはきっちり 「セックス、殺人、復讐」 がそろってるんだから。何も意識しないで観たらそこそこにおもしろいんでしょ。ただ、なんでそういう言葉がぽこぽこ挿まれるか違和感をもつだろうけれど。 あれやこれやと撒き散らしすぎ(かといって群像劇にもなってないのだ)、もっとスリムに深くねちこくもちこめたはずなのに。2度目の4週間後以降はもうだれだれ。何なんだっていう挿話のの連続で、それまでに撒き散らしたお片づけをしてるようにしか思えないんだけど。ビア・ホールだって、どういうつもりやらわからんし、ラストのサンタモニカ・ピア(『スティング』だね(笑))のシーンなんて、そこまで話の整合性をもたせようとしてどうすんのよって思ってしまう。 なんとか、映像だけでふらふらになりながらもちこたえたって感じ。さすがに空の青さの表現だけはあいかわらず美しい。それとても、いちおう意味は持ってはいても『パリ, テキサス』の空の青さとは意味的にも深さが違うな。 ズバリミイラ盗りがミイラにという一発。
The End of Violence 監督 ヴィム・ヴェンダース 脚本 ニコラス・クライン 撮影 パスカル・ラボー 音楽 ライ・クーダー 出演 ビル・プルマン / アンディ・マクダウェル / ガブリエル・バーン / トレイシー・リンド / K・トッド・フリーマン / ダニエル・ベンザリ / ローレン・ディーン
★★
2002年01月05日(土)
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