nikki-site 雑文速報
 あいうえお順INDEX 



 ▼ ダルデンヌ兄弟『ロゼッタ』 (99 仏,ベルギー)


 99年のカンヌでパルムドールを受賞したというけれど、正直、こればっかりはカンニンしてほしい。悪くないんだよ。観ていてむかついてくるとか、やたらこちら側を挑発するかのような嫌悪感をわざと引き起こそうとかいう意図などさらさらないんだよ。ごくごく現実をありのままに描いてみました、というのが、ボクにはちょっとしんどい。主人公のロゼッタのキャラも、映画そのものもしんどい。嫌いじゃないけど、好きになれないな。どこかで『カルネ』に共通するような底なし沼。同じ底なし沼であっても、『カルネ』ならすごく好きで何度も観たく思うんだけど、正直、たった1回でつぶされてしまった。ロゼッタに底なし沼から引っぱり上げてももらえないで。。。。あくまでボクがしんどいというだけで、いい映画だとは思うよ。だからきっとはまる人にははまるんだろうけれど。
 一つに手持ちカメラの多用。これも悪くないんだけれど、ひどく疲れる。物陰から向こうを盗み見るロゼッタが幾度も描かれる。これも悪くない、ロゼッタを描くうえで必要十分なのだけれど、例えばびくついた猫にいくら声をかけようが逃げ出してしまうのと同じ疲労感が襲ってくる。
 空のガスボンベと満タンになったガスボンベの重さの違いが、あまりにもリアルに表現されることに少なからず怖れてしまう。それがロゼッタ自身でもあるし、誰かが運んでやることなど到底できそうにないことを思い知らされて、どどどっと疲れが。。。。。

Rosetta
監督・脚本 リュック・ダルデンヌ / ジャン・ピエール・ダルデンヌ
撮影 アラン・マルクーン
出演 エミリー・デュケンヌ / ファブリツィオ・ロンギオーヌ / アンヌ・イェルノー / オリビエ・グルメ
★★☆




2002年01月18日(金)
 ≪   ≫   NEW   INDEX   アイウエオ順INDEX   MAIL   HOME 


My追加