|
|
■■■
■■
■ ▼ ジョン・カサベテス『グロリア』 (80 米)
いったい何度タクシーに乗ったことやら。そのうちイエローキャブが何台? この冒頭のNYの夜景の空撮、すごく好き。ほんとにほれぼれしてしまう。あらためて見ると、ほんとNYというのは絵になるのだな。しっかりW.T.C.もそびえ立っている、こないだからそればっかし(笑) カサベテスが描きたかったのは、かっこいいクールなアクションのはずがなくて、それじゃあ、疑似親子愛なのかというとそうでもない。ボクはずばり、ニューヨークの街を撮りたかったと決めつけよう。まさにニューヨークというのはタクシーと地下鉄の街なのだ。
話の筋立て、整合性などはまず二の次。そんなものは超越してしまっている。 ニューヨークの街の中でギャングの乗ったクルマがド派手にひっくり返るの、いいじゃない。あれがグロリア最初の一撃。決してそこまでのグロリア=ジーナ・ローランズはかっこよく描かれてるわけでもないし、クールなわけでもない。もちろん美人なわけでもなければ、若くてピチピチしてるわけでもない。言ってみれば、ドヂなありがちなおばはん。すいません、大カサベテス監督の愛妻をぼろんちょに言って申し訳ないm(__)m ところが突然あそこでピストルを乱射するのはカッコ良すぎます。ほんとカッコいいんだから。あのですね、またまた登場の『レオン』ですが、だって『レオン』はこの『グロリア』を下敷きにしてるわけだからね。そのジャン・レノだと、もともとかっこいいんだから、当然ああなるのはわかってるわけですよ。変なたとえが、中村主水vs木枯らし紋次郎(古っ!) この落差が素敵です。 もうね、あの目玉焼きのシーン、たまらなくいいです。あ、あんたねぇ、目玉焼きくらいまともに焼けんか。それで焦げ付いたフライパンポッとトラッシュしてしまいますか。ますます主水ですねぇ。 それとガキんちょフィルのジョン・アダムズ、こいつ決して上手い子役というわけじゃないけど、ボクはこういうガキんちょのほうが好きだな。だいた、あいつとか、あいつとか、こまっしゃくれてやがって、おまえなんかな、ガキのうちからそんな世界にいて、それで女でも知った途端につぶれんだろう・・・あ、脱線しました(-.-;) いわゆるボケとツッコミの役回りがきっちりできてるんですよ。このけったいなおばはんとガキんちょのコンビ。 ボクが好きなのはプエルトリカンの街をタクシーで流していくところ。あのように描かれるニューヨークというのが焦げ付いた目玉焼きなわけ。そして地下鉄のアッカンべぇーが圧巻。 カッコ悪いということはなんてカッコいいことなんだ。ずばっとクールなギャングを描くだけが映画じゃない。
Gloria 監督・脚本 ジョン・カサベテス 撮影 フレッド・シュラー 音楽 ビル・コンティ 出演 ジーナ・ローランズ / ジョン・アダムズ / バック・ヘンリー / ジュリー・カーメン / ジェシカ・カスティロ / バシリオ・フランチーナ
★★★★☆
2002年01月23日(水)
|
|
|