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 ▼ 木下恵介『カルメン故郷に帰る』  (51 日)


 まずはいきなりなんで『カルメン故郷に帰る』かというと、『ピストルオペラ』なんですね(笑) 『ピストルオペラ』の中で山口小夜子がユニオンジャックを体にまとって「泥まみれ、糞まみれ」云々の独白シーンがあるんだけど、その独白で『カルメン故郷に帰る』で翻っていた日の丸・・・とも言うているんですね。これは観ておかないかんというわけ。で、観ました。翻っていましたねぇ、青空をバックに日の丸が。そしてはっと分かってしまいました。かの『ピストルオペラ』のラストシーンはこの『カルメン故郷に帰る』だったのです。『ピストルオペラ』で平幹二郎が最後によりかかる木(どういうわけか、根元から揺れてました(笑))は、この『カルメン故郷に帰る』に挿まれる高峰秀子が牛に蹴られてパーになった木だったのです。
 と、まぁ、前置き、いつものように長し(笑) この『カルメン故郷に帰る』は日本で最初に撮られたカラー作品としてつとに有名。で、シーンのほとんどが屋外でのロケ(これは当時のカラーフィルムの感度の問題があったらしい)。殊に浅間をバックにして、高峰秀子と小林トシ子が原色の衣装で踊るシーン、これは日本映画史に残さないと絶対ダメだと確信したね。だからこそ、鈴木清順が富士をバックに最後の決闘シーンを撮ったのですね。もうむちゃ納得してしまいます。
 最初のカラーというわけで、前明り(リフレクターで前から光をあてる)がちょっとオーバー気味な気がするけれど、浅間をバックにした高峰秀子の顔は忘れられないね。
 さすがに半世紀前となると、かなり笑ってしまう。中井貴一の父ちゃん佐田啓二も思いきり若いし、何にもまして笠智衆が。。。。当時からあのしゃべり方ですが。運動場の真ん中にオルガン引っ張り出して、というのはボクは何となく覚えているけれど、さすがに男の先生同士のフォークダンスは記憶に無い(笑) 話の筋立てがどうこうというのは、いやほんとれびゅのしようがないです。そいう時代だったのでしょ、ボクが生まれた年というのは(自爆)
 ちなみに初のカラーだけれど、失敗したときのためにモノクロも同時に撮られていたそうです。


監督・脚本 木下恵介
撮影 楠田浩之
出演 高峰秀子 / 佐野周二 / 笠智衆 / 小林トシ子 / 井川邦子 / 坂本武 / 佐田啓二
★★★★



2002年01月28日(月)
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