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 ▼ トッド・ヘインズ『ベルベット・ゴールドマイン』 (98 英,米)


 1974年当時全盛のグラムロックが下敷き。ブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤーズ)がデビット・ボウイ、その愛人カート・ワイルド(ユアン・マクレガー)がイギー・ポップ、ん?愛人ったってゲイです(^◇^;) 
 が、それが現実にボウイとイギー・ポップがホモセクシャルな関係にあったのでなくて(かもしれないけれど)、彼らをもとに、ルーツをそれからさらに100年前のオスカー・ワイルドにまで求めてしまう監督トッド・ヘインズのイマジーネーションに脱帽。トッド・ヘインズがよほどのグラム・ロックへの思い入れがなければできなかっただろうな。ちなみにボクはその頃はブルースからサザンロックにはまってたもんだから、グラムは横目で見てしまってた。音そのもので勝負しろよな、なんて言って、後になって音だけでなくファッションやライフスタイルやひっくるめてグラムがあったんだなと思うようになるまでに何年も遅れてしまった。おかげでリアルタイムでいながらねぇー。もったいないと言えばもったいないけど、別の道を走ってたんだから。ゲイにしたって。。。まぁボクの場合は女好きだから、女だったらバイになってたかも(自爆) \(^_\)ソノハナシハ ・・(/_^)/コッチヘオイトイテ・・
 74年に絶頂だったブライアン・スレイドがステージの上で射殺される。というのは狂言で、これが発覚した後、ブライアン・スレイド・バッシングのため、伝説となることもなく絶頂から滑り落ちていく。それから10年、ヘラルド誌の新聞記者アーサー・ステュアートが、言ってみれば「あの人はいま・・・」の企画でブライアン・スレイドのその後を取材していくという形で、74年当時、さらに10年間の解き明かされていく。これはオーソン・ウェルズの『市民ケーン』ね。それはアーサー自身の封じ込めていた10年間を自ら暴いていくことにもなった。
 スレイドの妻のマンディ(トニー・コレット)のインタビューやアーサー自身の追憶をスレイドのステージでつないで行くかたちで、これ、グラムのフリークだとたまらんのだろうな。ロキシー・ミュージック、イーノ、ルー・リード、マーク・ボランとそうそうたる面子が。ようわかっとらんのだけど。。。サントラの名前で引いてみました。で、バックを誰がやってんだかこれもようわかっとらんのだけど、ジョナサン・リース・マイヤーズやユアン・マクレガーがフロントで跳ね回る、これ、ちょっと凄いよ。ヘタすりゃMTVのグラム特集すれすれ。このライブのシーンは絶対見ものだね。
 だけどボクとしてはいまいちピンと来なかったりもする。でもやっぱりひとつのドラマだから、それにあながちグラムが嫌いなわけでもないから、ヘタに伝記物にしたてられるよりずっとずっと面白い。ほんとグラムにはまってたりするとぎゃあぎゃあ喚いて見てたんだろうな。それに時代とちょっとしたきっかけさえあればゲイに走ってたかも(^_^ゞ オフステージでもトニー・コレットいいしねぇ、オスカー・ワイルドからつながるエメラルドのピンの寓話だってさりげなくていいです。これをもっと前面に出して進んでいってたらいやらしくなるところなのに、トッド・ヘインズのセンスなんだろな。ラストのロンドンの煙突の屋上のシーンすごく好き。
 蛇足ですが、"Velvet Goldmine"というのは、ボウイの"The Rise & Fall of Ziggy Stardust"から。このアルバム、グラムなんて言いながらこっそり聞いてたんだよなぁ(笑) 当のボウイはこの『ベルベット・ゴールドマイン』のことは知らぬ存ぜぬを貫き通しております。しっかしこの連中の人間関係も大変だなぁ....

Velvet Goldmine
監督・脚本 トッド・ヘインズ
撮影 マリース・アルベルティ
音楽 ランドール・ポスター
出演 ユアン・マクレガー / ジョナサン・リース・マイヤーズ / トニー・コレット / クリスチャン・ベール / エディ・イザード / エミリー・ウーフ / マイケル・フィースト
★★★☆



2002年01月29日(火)
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