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 ▼ ベント・ハーメル『卵の番人 』(95 ノルウェー)


 爺たちの一日は短い。朝起きて、ラジオで天気予報を聞いて、うんこして、ときには占いをやってみたり、ときには二人でトランプやってみたり、二人の会話は成り立っているようで成り立っていない。いいねぇー、こういう爺になりたいねぇ。
 自分ごとなんだけど、ボクには4つ下の弟がいて、あと20数年経ったときに、2人して、嫁子に見捨てられ、女にも見捨てられ、岩手県かどっかの雪深くで、もうその頃にはスキーなんてのも出来ずに、ぼーーっと暮して・・・・(;゜゜)ウウ! イヤだぁ、考えただけでおぞましい。きっとうちの兄弟を知ってたらほくそ笑むのがおるんだろうな。。。この頃、よく言うことだけど、このままさらに年とって、人の言うことなんかきかずに自分勝手にうだうだ暮すんだろうなぁ、なんて。
 マジ、そういうのを見せつけられてるみたい。でもほのぼの、もう欲得も色気もなくなって、でも掃除におねえちゃんが来てくれると、そのときの兄貴ファの目ったら・・・雀百までですなぁ。それにうんこシーンは劇爆モン。全体的に雪の中に閉じ込められてしんとした映画で、もう笑い転げてしまいましたです。しっかしヨーロッパ人ってうんこがころころしてるんだろうね、紙もほんのちょっとしか使わないの。まさかケチってんじゃないよな。そしてこの兄弟二人で何だったかなぁ、とにかく賭けをするのね。それで負けたら、これは見てのお楽しみにおいといたろ。絶対、うんうんそうそうと納得させられるのうけあい。
 笑いを無理強いするのでなく、いつのまにかほんわかした笑いを取る。これってちょっとすごすぎるんだけれど。さりげない行動がいっぱいなんだよね。例えば、車が滑らないように灰を撒いてやったとか。ラジオから流れるアレだとかさ。。。
 さて、そういう老兄弟のところに、どこからか、兄貴ファ(ヒェル・ストルモーン)の息子だという障害者の謎の男コンラード(レイフ・アンドレ)がやってくる。この登場のところもおしゃれ。どうも兄貴ファがどこかで作った隠し子らしい。弟モー(スべーレ・ハンセン)の方は何がなんだかわからない。それでそれまでの兄弟二人の安定した共同生活が狂い始める。ファ方は彼のためにバナナをしこたま仕入れるし、ジューサーを買込むし、弟の方はそれが気に入らないわけでもないのだけれど、どうもしっくりこない。このあたりの心の動きもすごくさりげない。
 ただ、この男はいつも鳥の卵の標本を後生大事に抱えているのだけれど、だから『卵の番人』。ときどき卵を口の中で暖めてみたり、鳥の鳴き声を発してみたり。でも未熟なボクにはとうとうなんで鳥の卵の標本でなければならないのかはわからずじまい。
 結局、弟ファは一人出ていってしまうのだけれど。。。
 この映画のさりげなさ、こんなさりげない映画はちょっとないね。すごい!というのではないけれど、ほっと息抜きにいいねぇ

上に使った画像はモノクロだけどカラーです。青の色がすごくきれい。

Eggs
監督 ・脚本 ベント・ハーメル
撮影 エリック・ポッペ
出演 スべーレ・ハンセン / ヒェル・ストルモーン / レイフ・アンドレ
★★★☆


2002年02月12日(火)
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