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 ▼ ノーマン・ジュイソン『ザ・ハリケーン』 (1999/米)


 ルービン・カーターのことを知ったのは当然ディランの「ハリケーン」、1976年のこと。それからもうすでに25年。ボクの中ではきっちりディランが歌った伝説のボクサーになってしまってた。マイルスの「ジャック・ジョンソン」と同じだね(^_^ゞ で、これはその「ジャック・ジョンソン」聞きながら書いてる単純。。。。「ハリケーン」は持ってるのアナログだからアンプの調子が良くなくてかけれないの。あ、全然、映画と関係ない話ですんまそんm(__)m いや、でも映画の中でディランが流れてきたの、すごく懐かしくて。「ハリケーン」の入ってる「Desire」はほんとよく聞いたし
 無実の罪で投獄された元チャンピオンというのはディランで知ってたけれど、ふむふむなるほどね、う〜〜む怒りがめらめらと、ファック!ヤンキーとまた白人嫌いに火が着くじゃんかね(^_^ゞ 監獄の中で、自分を陥れた白人への憎しみに燃えたぎるハリケーンにムスリムの囚人が、悪い白人ばかりじゃないとなだめるところで、「でも白人は踊りが下手だ」というのには思いっきり笑ってしまった。マジ、白人のダンスはキモイです。
 さてまともにれびゅしよか(笑) だってこういう実話ものというのは、意外とどうこう言うの難しいんだよねぇ。というのは、どこまで事実でどこから脚色なのかわからないし、ハリケーンの無実にケチをつけるわけではないけれど、彼を陥れた連中のサイドから見るとウソばっかり並べ立てやがってとなるでしょ。まぁ、それでも連中の悪辣非道なことは信じて疑わないけれどね。そういうことを平気でやれる連中ですよ。それはこの半年ばかりの歴史的事実を見ても明白です。
 それはそれとして、こうした冤罪事件のドキュメントなんてのもテレビでよくやってるわけで、それらとの差異は、そこに提示されるのが現実にその事実に関わった人間、つまりハリケーン本人でなく、デンゼル・ワシントンという俳優ということ。ここで彼は二十歳から五十歳までの一人の人間を演じきってしまう。しかもボクサーという特殊な肉体を持つ人間を演じているということ。このボクサーを演じるために27kgもダイエットして体をつくったというのだから。役者さんというのは大変なものだわ。ん〜っと上でけっこう奥歯にものがはさまったように書いてるのは映画として見たときにいいんだか、つまらないんだか、よくわからない。カナダの3人組の関わって行きかたというのもよくわからない。映像がとりたててすごいというわけでもなくて、そういうあたりはごくごく平凡に描かれてしまってるなぁという気がしないでもない。でもよくわからないままにぐいぐい引っ張り込まれてしまってたのは、やっぱりデンゼル・ワシントンだったからなのか、はたまたハリケーンその人だったのかと。引っ張り込まれたのは、ハリケーンの心の動き、とくに囚人としての心の動きだったわけで、またそこに集中させるためには周囲の人間たち、レズラ(ヴィセラス・レオン・シャノン)であっても極力抑えた表現にしたのじゃないのかなと思う。筋立てにしたってごく平凡で、ときおり時間があっち行きこっち行きするものの、事実をただ追いかけるだけなのは、へたにサスペンス仕立てなんかにされるよりずっとずっと良かったなと思う。
 ちなみにデンゼル・ワシントンはこれで99年のカデミー主演男優賞にノミネートされてるけれど、受賞はケビン・スペイシー(アメリカン・ビューティ)というのもアレですか(苦笑)

The Hurricane
監督 ノーマン・ジュイソン
脚本 アーミアン・バーンスタイン / ダン・ゴードン
撮影 ロジャー・ディーキンス
出演 デンゼル・ワシントン / ヴィセラス・レオン・シャノン / デボラ・アンガー / ジョン・ハンナ/ リーブ・シュライバー / デビ・モーガン / ロッド・スタイガー
★★★★



2002年02月14日(木)
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