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 ▼ 五所平之助『伊豆の踊子』 (33 日)

1933 田中絹代  大日方傳  五所平之助
1954 美空ひばり 石浜朗   野村芳太郎
1960 鰐淵春子  津川雅彦  川頭義郎
1963 吉永小百合 高橋英樹  西河克己
1967 内藤洋子  黒沢年男  恩地日出夫
1974 山口百恵  三浦友和  西河克己


 いちおう、復習してみました。
とそうそうたる踊り子の一番最初、それとサイレントだという歴史的資料。。。。というだけ。なんて書いたらおこられるかなぁ。
 田中絹代がいくら大女優だったからって、まだまだこのときは売り出し中でしょ。なんて書きながら、少々ビクついてるんですが。。。 このときで23歳。いまから見ると、結構食ってるように思えても、時代が時代だけに。だいたい二十歳そこそこに光っていても、女がほんとに輝くのって三十越えてからでしょ。この田中絹代だってそうだと思う。いや、そうだと断言。
 だいたいなんでこんなに『伊豆の踊子』がリメイクされるかね? そんなに映画人にとって魅力あるのかと、はたと疑問に思う。これ作るの絶対に難しい。それは女優がピチピチでなければならないから。もうすでにできあがった女優さんじゃ踊り子にならないんだよね。それでその後の踊り子女優を見てもわかるように、田中絹代も含めて、制作側がこれからばしばし売り出そうと目論んだ女優が使われていること。あに図らずや、しっかり内藤洋子にも山口百恵にもさっさと逃げられましたけどね(笑) だからこそ、監督の手腕が効いてくる、未完成の大器とおぼしき女優をいかに売り出すか。女優にとっても監督にとっても試金石みたいな映画なんでしょ、きっと。
 小難しい話はおいといて、この田中絹代版にはなかったですねぇ。かの露天風呂シーンが。。。当たり前といえば当たり前。昭和8年です。ちなみに2・26事件は昭和11年です。そんな時代に撮りたくても撮れないですね。ただ露天風呂じゃないけど、いちおう風呂に入るシーンだけはあって、がばっと一気に脱いで、一瞬だけ肩から上が。。。。それだけで爺ちゃんの集まりではどよめくらしいですが。それから《トーレコョチクルミ治明》が3度出てきます。《粉白ンオパ》が2度。きっとスポンサーだったんだな(笑)
 そしてやっぱり時代だね、というのは、田中絹代がひどく下膨れな顔だったこと。でもこれが当時の美人だったのです。いま見ると、ゑっ?と思う顔ですが、でもねぇ、とにかくこの『伊豆の踊子』ではおぼこい、おぼこい。まさか、「お座敷におしっこしてやるから」と、ほんとに座敷の真ん中でオシッコした女優には見えないから、女は怖いや。というか、そんな虎をてなずけてしまった監督の勝利なのか。それはそれとして、最後の下田の港で―この愁嘆場はちっとくどすぎるとも思うのだけれど―海から反射する光のように下側から光をあてた田中絹代のどアップはさすがに時代に関係なく美人だと思わせるものがあります。
 ほかの出演者、誰も知らんなぁ。唯一、飯田蝶子は知ってたけど、どこにどう出てたかもわからなかった。やっぱりサイレントだから弁士付きで見たいな。
 

監督 五所平之助
脚本 伏見晁
撮影 小原譲治
出演 田中絹代 / 大日方傳 / 小林十九二 / 若水絹子 / 高松栄子 / 竹内良一 / 河村黎吉 / 飯田蝶子



2002年02月21日(木)
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