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 ▼スティーブン・ソダーバーグ『イギリスから来た男』 (99 米)



 なぁんてことないなぁ。ただの火曜サスペンスだね、というのは言い過ぎか(^_^;アハハ… と、糞ミソには言えないんだよなぁ。ボクの永遠のヒーロー=ピーター・フォンダだもん。多分にソダーバーグはそこんところを狙ってんだわさ。「それが60年代だ。いや、60年代じゃない。66年から67年の初めにかけてだ。」というセリフにはどきっとさせられる。ピーター・フォンダの「66年から67年の初め」というと"The Trip"。
 娘の事故死に疑いを持った父ウィルソン(テレンス・スタンプ)がイギリスの事故現場であるロスにやってきて、その事故を突き止めていくうちにバレンティン(ピーター・フォンダ)に行き当たる。と、このストーリーの本筋に別に関わってくるものがなくて、いたって単純。それはそれでいいんです。最近、あざとい偶然性をおしつけるのが多いだけに簡単なことはいいことだ。それよりもテレンス・スタンプ自身の過去からの娘との関わりのほうがこの映画の主題になってるらしいのだけれど、そこのところもいまひとつくっきり描かれていなかったのがちょっと辛い。
 映画を通して、とくに前半、時間の軸がぼんぼん飛ぶ。時間の流れが右往左往する。だからといって、観てる側が混乱するというわけでもなくて、そういうところは整理されてるんだな。そして父=テレンス・スタンプ自身の過去にまで時間が飛んだときに使われるのが、なんとテレンス・スタンプ自身が出演している"Poor Cow"('67)からのカットという粋な仕掛け。はっきりとわかるわけではないんだけれど、どこかソダーバーグに60年代、いや、「66年から67年の初め」に対するこだわりがあるんじゃないかな。ただ後半になると、そうした時間の切り貼りにも慣れてしまって、観る側の緊張感がなくなってた。
 いいんだか、つまらんのだか、ようわからんわ。ちなみに原題""はイギリス野郎という意味のスラング、ライムばっかり喰らってるから。
 
The Limey
監督 スティーブン・ソダーバーグ
脚本 レン・ドッブス
撮影 エド・ラックマン
出演 テレンス・スタンプ / ピーター・フォンダ / レスリー・アン・ウォーレン / ルイス・ガズマン / バリー・ニューマン / ジョー・ダレッサンドロ / ニッキー・カット
★★★☆



2002年02月28日(木)
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