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■ ▼ ペドロ・アルモドバル『ライブ・フレッシュ』 (97 仏スペイン)
イレナ(フランチェスカ・ネリ)の身体をべろんちょべろんちょと舐め回すのにはいやはや降参。一晩やりまくって痛くてたまらんだって、をりゃあああ。と、こういうふうにアルモドバル節全開 なんてね、そうとばっかり言うてられないで、かなりにシリアス。 まずダビド(ハビエル・バルデム)とサンチョ(ホセ・サンチョ)は、同僚の刑事。サンチョの女房がクララ(アンヘラ・モリーナ)。これにクリスマスの夜に娼婦の息子としてバスの中で生まれたヴィクトル(リベルト・ラバル)とイレナが加わって、事件が起こる。この事件でヴィクトルは4年間の刑務所暮し。ダビドは半身不随にはなるが、イレナと結婚。 さぁ、ここで問題です。 第1問 上に書いたイレナのカラダを舌をべろんちょと出して舐め回したのは3人の男のうち誰でしょう。 第2問 この5人の男女、それぞれに6通りの組み合わせが考えられますが、ということはやおいは無しね(笑)、1組だけやってません。それはどの組み合わせでしょうか。 ね、シリアスでしょ(苦笑) どこがじゃあ、と思うけど、ほんとにシリアスなんだから。憎悪と愛は裏返しとでも言っておきましょう。 このアルモドバルという監督、ほんと見せ方が上手い。ヘタすりゃどろどろになってしまう、男と女の関係、実際どろどろずたぼろなんだけれど、それをさらっとしたアイロニーを込めて見せてしまう。要所、要所で使われる、フラメンコの歌がすごくはまってるんだね。フラメンコそのものは出てこないけれど、この映画自体がフラメンコ。緩急が抜群なのだ。スペインの激情と哀愁というたらいいのか、そしてそんなものまで笑いとばしてしまう。しかもそれをいっぱしのサスペンスに仕立て上げてしまってる。ちょっと暴走気味なところもあるけれど、スペインはこう描けという見本。 をっと、フランチェスカ・ネリ、アンヘラ・モリーナ、この2人の女優、決して若くてピチピチじゃないよ。とくにアンヘラ・モリーナ。ところがどっこい、ピチピチの女じゃとても出せないいやらしさ ― 良いように言えば官能的 ― ぷんぷんさせて、女というのはある程度年くったほうが魅力的だというのをしみじみ感じさせてくれます。
Carne Tremula 監督・脚本 ペドロ・アルモドバル 撮影 アフォンソ・ベアト 音楽 アルベルト・イグレシアス 出演 リベルト・ラバル / ハビエル・バルデム / フランチェスカ・ネリ / アンヘラ・モリーナ / ホセ・サンチョ / ピラル・バルデム / ペネロペ・クルス
★★★★★
2002年03月02日(土)
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