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■ ▼ フェルナンド・トルエバ『ベルエポック 』(1992 仏,スペイン,ポルトガル)
1993年のアカデミー最優秀外国語映画賞なんてもらってしまったりしてるけれど、スパニッシュに笑い飛ばしてしまって、なにがどうってもことないなぁ。ただお気楽にぼけーっと見てる分には安心してられるってところ。肩の凝るような映画じゃアカデミーなんてもらえませんって(笑) 1930年あたりスペインの王政とか共和制とか歴史的にどうこうあった時代らしいけれど、そんなこと知りませぇ〜ん。して、この映画でも、そんなこと知りませぇ〜んって、むしろ逆にスペインにとって歴史的事件でさえ軽ぅーく笑いとばしてしまってる節がある。そういうところが好きなんだけどね。何度も共和制うにゃうにゃというのが出てくるけれど、かといって王政をどうしても粉砕しなければならないなんてことを考えてるわけでもなくて、都合によってどっちでもあたしらには関係ねぇずら・・・ってスタンス。 で、そういうふうに現れるのがフェルナンド(ホルヘ・サンス)。彼はそういう歴史の最前線からドロップアウトしてきた男。いきなり野糞してるところを、兵隊に捕まるのだけれど、その兵隊2人、義理の親子らしい、に連行されてる間に、兵隊2人の王政がどうとか軍律がどうとかのいざこざで義理の息子が義父を誤って射殺。そして義理の息子も自殺。なんて、こんなことを書いたら、なんか重ーい話が始まるのかと思うでしょ。ところがさにあらず、こんなのは落語でいうところの枕で、時代をカリカチュアするのに引かれているだけ。その後にたどりつくのが売春宿で、いきなりのぱふぱふを目撃。なんかわからん間にフェルナンドはマノロ(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)に出会ってマノロの家にころがりこむ。ここでもおかしい(funny)なんだよね、マノロの家でさぁ寝るってところで、フェルナンドのベッドは用意してくれなくて、ひとつベッドで寝ろという。「わしは女房以外にはインポ」だなどと言い切って、「聖書を読んでくれ、眠くなるから」とフェルナンドに読ませる始末。 わぁ前振りが長くなってしまった。少しはしょりますね。マノロには年ごろの娘が4人いて、上から順にクララ(ミリアム・ディアス・アロカ)、ビオレタ(アリアドナ・ヒル)、ロシーオ(マリベル・ベルドゥ)、ルース(ペネロペ・クルス) この4人とフェルナンドが関係してしまうんだから、なんとももはや、いきなりエロ話かと思うでしょ。 最初に食ってしまうのが、ビオレタで、アリアドナ・ヒルはこれでゴヤ賞主演女優賞をもらってしまってる。確かにね、この4人の中で一番魅力的だな。またそのいただき方がおかしくて、仮装ダンスパーティーで、ピオレタが男装やって、フェルナンドがメイドの格好やらされて、その仮装のまま食ってしまう、いやこの場合は食われたというほうが正確だな。つぎがルースでこれにはフアニート(ガビーノ・ディエゴ)という男がいtるのだけれど、これが強烈なマザコンで、そいつへのあてつけに、これまたフェルナンドは食われてしまう。お次が長女のクララ、これは水死した夫への、ん?何なのだ?とにかく食われてしまう。それでラストはルース(ペネロペ・クルス)で大団円。ペネロペ・クルスはこの映画を足場にしてハリウッド進出。 その間に、マノロが「女房以外にはインポ」と公言していた女房のアマリア(マリ・カルメン・ラミレス)が愛人とともにもどってきたり、神父が首つり自殺したりで、まぁ真剣にみたらアホくさくなるだけの映画だね。アハハハ、と笑って、いやぁ映画ってほんとにおもしろいですねぇ、さよなら、さよなら、さよなら
Belle Epoque 監督 フェルナンド・トルエバ 脚本 ラファエル・アズコーナ 撮影 ホセ・ルイス・アルカイネ 出演 ホルヘ・サンス / ミリアム・ディアス・アロカ / アリアドナ・ヒル / マリベル・ベルドゥ / ペネロペ・クルス / フェルナンド・フェルナン・ゴメス
★★☆
2002年03月22日(金)
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