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■ ▼ ジョン・カサベテス『フェイシズ 』(68 米)
これってすごいのなんのって、すごいの顔が。ずばりタイトル通りに顔、表情に狙いを絞って撮ってしまおうというアイデアにまず降参。 「時計を窓から投げた奴がいる。時間が飛ぶのを見たかったから・・・ぎゃはははは」と延々と続くバカ話にバカ笑い。何が『フェイシズ 』やねんと気づくまでに30分かかりました。やたらと顔のアップが多い。かと思うと、ジョン・マーレイとヴァル・アベリー(こんなおっさん知りませんが、どっかの会社の宣伝部長か、なんかだよ)がしゃべっているのに、二人が向きあった下半身だけしか映らず、その向かい合った二人の脚の間にジーナ・ローランズの顔がとらえられていたり、とにかくターゲットは顔、顔、顔。。。。そんな断片としか言い様のない顔をつなげてしまうだけでひとつのドラマができてしまうだなんて、顔からうろこ、あ、目からうろこ、いややっぱりこの映画は「顔からうろこ」なのだ。 それで、ドロンだの、ドヌーブだの、今で言えば、デカプリオだの、キッドマンだの、そういう二枚目どころの美顔を延々と並べたってなんもおもしろくないの。中高年のおっさん、おばはんの、酸いも甘いも噛みしめた顔ね、皺の深さがすべてを物語るような。えっと、リン・カーリンが自分ちに夜中に連れてきた友達のおばちゃんで最後まで残ってたおばちゃんのブス加減ったら、思わずかの昔日の悪夢が甦ってきたって。。。ゑっ、それどういうことと聞かないこと(苦笑) 唯一人、ハリウッドっぽい顔ったらリン・カーリン。だけど彼女ですら最後には、水やら涙やらでマスカラがどっと溶けて黒い涙が流れて崩してしまってんだから。このリン・カーリンの顔の崩れて行きようというのもひとつのみどころだね。ジーナ・ローランズはっていうと、まぁそれなり。ジーナ・ローランズ中心に動く映画じゃないしね。 とにかく、どアップにされた顔がしゃべる、しゃべる、しゃべる。ははぁ〜ん、ジャームッシュのルーツ、これだったんだとひとりで納得。ラストの階段のシーンもいいねぇ。あの終わり方というのはジャームッシュそのもじゃねえかって、をい、ルーツはこっちなんだって。 ジョン・マーレイとリン・カーリンの夫婦のW不倫話です。
Faces 監督・脚本 ジョン・カサベテス 撮影 アル・ルーバン 美術 フェドン・パパマイケル 音楽 ジャック・アッカーマン 出演 ジョン・マーレイ / ジーナ・ローランズ / リン・カーリン / セイモア・カッセル / フレッド・ドレイパー
★★★★★
2002年04月17日(水)
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