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 ▼ ラッセ・ハルストレム『ショコラ』 (2000 米)


 これってみんなが言うほどにいいというか、おもしろい映画だと思わなかったな。舞台の設定がフランスの片田舎だというから、たしかに色だとかセットだとかはフランスっぽくおしゃれなことはおしゃれだけれど、やたらアメリカ映画っぽくない? ことばが英語というせいもあるけれど、予定調和が見えてしまうんだよなぁ。
 確かに、これを見たときは肉体的にくたくたで最悪だったからもあるけれど、やっぱり意外と退屈。全然悪くはないんだけどね、ほんわかとしていい映画なんだけど、何かもの足りない。灰の入った壺が壊れる、ルー(ジョニー・デップ)の船が焼き打ちにあう、これって、起承転結の転から結へ導く大きなイベントなんだよね。この船上パーティーから焼き打ちという流れ、それからタッチもすごくアメリカ映画っぽい。そこにアルマンド(ジュディ・デンチ)の死もからむんだよねぇ。ドラマを持ち上げ過ぎじゃないかと思ってしまう。
 この船の焼き打ちという転換の方法というのもあまり好きじゃないな。そしてチョコレートのショーウィンドーの中で貪り食う村長(アルフレッド・モリーナ)なんてかなり失笑モンだと思う。ああいうふうにしか、事態を変換することできないんかなぁと思ってしまう。
 ほんと悪くはないんだよ。挿まれた話それぞれはいい話だし、俳優達もみんなそれぞれに役を演じている。ひとつひとつのチョコは美味しい。あのね、あれこれいろんな味のチョコレートを、どうこれ美味しいでしょ、これも美味しいでしょと何個も食べさせられると、どの味を噛みしめればよいのかわからなくなってしまうというもの。もう少し味わいたいチョコもあるのに、「あ、これはいいの」って引っ込められたり、やたら味の濃いチョコをすすめられたり。
 やっぱりアメリカ映画というのは性に合わないのだ、きっと。
 ただ、見ていて、ほんとに美味しいホットチョコレートを飲みたくなった。もちろんチリペッパーかけたの飲んでみたい。それとガトー・ショコラはボクはすごく好きなんだけど、あのガキ、一口フォークで削って食っただけで帰って行ったやん。あれは許せん、食うならちゃんと食え。残したの下さい。

Chocolat
監督 ラッセ・ハルストレム
脚本 ロバート・ネルソン・ジェイコブズ
原作 ジョアンヌ・ハリス
撮影 ロジャー・プラット
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 ジュリエット・ビノシュ / ジョニー・デップ / ジュディ・デンチ / アルフレッド・モリーナ / レナ・オリン
★★★



2002年05月27日(月)
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