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■ ▼ クロード・ルルーシュ『男と女 嘘つきな関係』(1996 仏)
パリのど真ん中、メトロ(パリの地下鉄)の「OPERA」の看板が見えるんだから、かのオペラ座の真ん前で、いきなりフランス婆ぁがバイクに乗った男にタックルをかますのにはたまげたなぁ。それもしっかり下半身にタックルしてんだから、なんじゃこりゃと思ったら、女装したファビオ(ファブリス・ルキーニ)だった。彼はさえない役者志望の男で、フランス婆ぁを演じてひったくりのおとりになってたのだ。この捕物をめぐってパリの野次馬がこれまた小ジャレてんだよなぁ。なんか絵になる。そしてまた大道芸人というか、ストリートパーフォーマンスで歌を歌ってるホームレス同然の二人組が家財道具を積んだタンデムに乗ってそのオペラ広場を走ってるのもなんとも絵になること。 そうしてそこに出てくるのがほぼ素人・元国会議員というベルナール・タピで、これが実人生まんまかいなというくらいの何でもアリの実業家ブノワになって出てくる。 というように湿っぽくもならず、重くもならず、ふっと息抜きに見てしまってた。ネタばらししておくと、このブノワがかつて御馳走様をした女医アレックス(アレッサンドラ・マルティネス)のところに胃の検診にやってくる。「積年の怨み晴らさせてもらいまっせ」とばかりぐいぐい胃カメラを押し込むのだよ(^◇^;)げっ。で、偶然、同じ検診を受けに来たファビオとブノワが巡りあうことになるわけ。そこへさらに女の怨みは恐ろしいとでも言うておきましょう。そのせいでこの二人の運命がすり替わってしまうのでありました。 この3人の話を中心に、スキー帰りの列車で出会った若い男と女の嘘つき話がからんだりもするわけだけれど、別にそれが、このメインの話に影響してくるわけでもない。なんか他にもちょこちょこホームレス歌手の話やらからんできたりもするけど、テンポが速いから苦にならないし、見てるほうもけっこうはしょってられる。こんなふうにしっぽり感があんまりないでしょ。お気楽です。言うてみればフランス小噺ってところ。 小ネタといえば、ブノワを筆頭にしゃべりまくる、しゃべりまくる。「なんでアメリカ映画がヒットして、フランス映画はヒットしないか」というお説には笑うた。
Hommes Femmes Mode d'emploi 監督 クロード・ルルーシュ 脚本 クロード・ルルーシュ / ルネ・ボレル / ジャン・フィリップ・シャトリエ 撮影 フィリップ・パヴァン・ド・セカティ 出演 ベルナール・タピ / アレッサンドラ・マルティネス / ファブリス・ルキーニ / アントワーヌ・シャビー / トニー・マーシャル / フィリップ・フルタン
★★★
2002年06月27日(木)
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