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■ ▼ アンリ・ドコアン『女猫』 (1958 仏)
『女猫』なんてタイトルはいかにも扇情的。。。。だから見てみる気になった。というのはウソです。でもちょっと期待もしたけどね、をい、どっちやねん。だって「女猫」ったら、bitch(びぁぁぁ〜〜〜っち!)もしくは、pussy、こらこらこら・・・そのどっちでもなくてchatteですよぉ〜だ(笑) 冗談はおいといて、これ図書館でほとんどあてもののごとくに借りてきたんだよね。《妖しく光る魅力を持つ女優、フランソワーズ・アルヌール》とパッケージに書かれてるのだけがチェック・ポイント。で、これは儲けモンでした。わけわからんと借りてみて、おもしろかったらすごくうれし。その典型みたいなもん。 このフランソワーズ・アルヌールという女優さんはBB以前のちょいとセクシー女優として売れっ子で、この『女猫』の頃が絶頂期だったらしい。もっともメジャーなとこではルノワール監督の『フレンチ・カンカン』ってところで、あとはかなり仏映画の虫でもない限り見たりしてへんのだろうな。ボクなんかこれが初めて(^_^ゞ で、この『女猫』でのフランソワーズ・アルヌールは、とびっきりうまいなぁとは思わないんだけれど、雰囲気がもうばっちりなんだよねぇ。タイトルの『女猫』というのは、アルヌール扮するスパイの目が猫のような目をしていると、敵であるナチスドイツに評されるところから。スパイ容疑として似顔絵に描かれつわけだけれど、これがまたアルヌールに似ていて、それが「猫のような目だった」という目撃証言で目を描き込んだ途端にすごく似てくるの。それくらい猫女優っていうてもいいくらいの女優。そういえば、BBだって猫女優だよなぁ。 さてと、ナチスドイツがフランスに侵攻してきた頃の話で、アルヌールはフランスのレジスタンス組織の一員。そしてドイツの方もそのレジスタンスを壊滅させるために、逆スパイを送り込んでくるんだけれど、その送り込まれたアルベール(ベルナール・ヴィッキー)とコーラ(フランソワーズ・アルヌール)が惚れあってしまう。正確には、掘れ合ってしまっていたのだけれど、おバカなアルベールが、くだんの似顔絵を見て、「この女知っている」と口走ってしまう。だったら「おまえがさぐり入れて来い」と逆スパイとして送りこまれる羽目に陥るわけ。ほんと男ってバカねぇ。とにかくそういうわけで、そこから葛藤が始まるわけですねぇ。パッケージには《愛の尊さと戦争の悲劇を描いたフィルム・ノワール》とあるんだけど、でも《愛の尊さと戦争の悲劇》ってそんな重くかかってこないなぁ。いや、それが逆にボクはいいんだけど。ほら、妙ちくりんなヒューマニズムや正義をかざされたら興ざめしてしまうでしょ。確かにそれが軸にはなっているけれど、さらっとしていて、まさに《フィルム・ノワール》のにおいがぷんぷん。映像も、もちモノクロなんだけれど、さらっとしていて、だからこそその分サスペンス感に浸れるんだよ。 これだけは言わせてくれ! ドイツ将校のいやったらしさったら、こりゃもう痺れるねぇ(^_^ゞ とくにコーラがドイツ軍に逮捕されてからなんて、これが何が見えるわけじゃないのに、思いきりエロっぽいの。ぞくぞくモンよ。アルヌールにストッキング脱がせるとこなんて、ほんと生ツバごっくんなんだから。なんかナチスってどこかSっぽく描かれること多くない? それにくらべたら、ベルナールって、なんてノウテンキな大マヌケ。このアホアホなお人よしぶりには《愛の尊さと戦争の悲劇》なんて感じられるわきゃないよね。でも、いいの。《愛の尊さと戦争の悲劇》なんて、けっ(-。-;) つまり、こういうバカ男に惚れた女の悲劇ってのがほんとのとこなんじゃないでしょかぁ。 ラストのけりのつけかた、これぞまさにフィルム・ノワールっぽくて好き。お・す・す・め
La Chatte 監督 アンリ・ドコアン 出演 フランソワーズ・アルヌール / ベルナール・ヴィッキー
★★★★☆
2002年07月02日(火)
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