nikki-site 雑文速報
 あいうえお順INDEX 



 ▼ エリック・ロメール『レネットとミラベル 四つの冒険』 (1986 仏)


 フランスの田舎道をミラベル(ジェシカ・フォルド)が自転車で走っているとパンクしてしまう。そこへ通りかかったレネット(ジョエル・ミケル)が「直してあげる」と。。。は?と思わせるような出会いで、この二人、どう考えても気が合うとか、趣味が同じだとは言えそうにない。でもよくよく考えてみると、そういう関係というのはあるもんなんだよね。なんでかわからんけれどトモダチというのが。
 レネットかミラベルかと聞かれたら、10人中7人が、ミラベルとちゃうやろか。ミラベルがパリの普通ではあるけれどおしゃれなのに対して、レネットの方はどことなく田舎くさい。その対比が、ごく普通に描かれているから、余計に二人の違いが見えてしまう。ちょっと、ジョエル・ミケルには気の毒というか。見た目だけでなくても、「変な子」とカフェのギャルソンに言われるくらいに、お堅くて今っぽくない。それに対してミラベルは都会的でちょっとずる賢くてクール。そんな二人の、ごくふつうのできごとをごくふつうに、「青の時間」、「カフェのボーイ」、「物乞い、万引き、ペテン師」、「絵の販売」の4つのエピソードで、自然の中から都会の中へとさらっと描いてみせる。16mmのざらついた映像が、よりいっそうナチュラルに見える。そんな語り口がロメールならでは。でもこれってミラベルよりレネットの話なんだよね。ほんとに何がどうってことないのに、ぐんぐんはまりこんでしまうのはまさにロメール・マジック。落ちもずばっと効いておシャレ。

Quatre Aventures De Reinette Et Mirabelle
製作・監督・脚本 エリック・ロメール
撮影 ソフィー・マンティニュー
音楽 ロナン・ジレ
出演 ジョエル・ミケル / ジェシカ・フォルド / マリー・リビエール / ベアトリス・ロマン / ファブリス・ルキーニ
★★★★



2002年07月21日(日)
 ≪   ≫   NEW   INDEX   アイウエオ順INDEX   MAIL   HOME 


エンピツ投票ボタン↑
My追加