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■ ▼ 石井隆『フリーズ・ミー』 (2000 日)
おもしろいことはおもしろいんだけどねぇ。。。けど、何なのよ?って まず井上晴美がねぇ、身体の線とかはボクの好みなんだけど、アップに耐えられないんだよなぁ。それと背中、一瞬骨格標本かいってくらいに骨張っていて、あの背中は色気なし。色気ないどころか痛々しい感じさえするのにはまいった。背中フェチのボクとしては かつて田舎で3人の男にレイプされた。その3人の男が、北村一輝、鶴見辰吾、竹中直人。これが東京に出てきて井上晴美の平穏な生活に入り込んでくる。まさに不条理そのもの。 北村一輝は相変わらずのガンガン行っとけで、すっぽんぽんでマンションの廊下を闊歩すして、かつてのレイプの写真を撒き散らす。ついには晴美の会社にまで乗り込んで、となると、決着のつけようは、殺す!しかないでしょう。あぁ、なんて不条理。この北村一輝をバスルームで殺ったあとに、返り血を浴びた晴美が、まだバスタブに浸っている北村一輝の死体の上でシャワーで流すという凄惨さは石井隆ならでは。 北村一輝のつぎにやってくるのが鶴見辰吾。北村一輝のイケイケに対して鶴見辰吾のトボケぶりが効いてんのだよ。演ってておもろくてしゃあないんだろうな。冷蔵庫の中にフリーズしてしまった北村一輝の死体を見つけてひるんでいるところで鶴見辰吾も殺られた。2つの死体はそれぞれ棺桶よろしく、それ用に新しく買った2つの冷凍庫に収められる。 そして真打ち=竹中直人が晴美の部屋に上がり込む。ほんと竹中直人ってのはこういう役をやらせるとワンパターンなんだけど、そうでなかったら竹中直人の必要性がないってか。もうこうなると、3つ目の冷凍庫を殺る前に買込んでしまうしたたかさ。そしてきっちり「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」とゲーム相手に叫ぶ竹中直人も殺られた。(竹中直人は最後はこのセリフしか言うとらんのじゃなかろか) ところが、3つの冷凍庫を同時に使うと、電力オーバーになってしまうところまでは計算に入ってなかった。クーラーも電話も家中の家電を切ってしまってやっとのことで3つの冷凍庫を稼働させる。そしてその冷凍庫には死体とともにアイスクリームが入っていたり、酒用の氷を作ってたりするしたたかさ。 余談ですが、フリーズしてる北村一輝が一瞬まばたきしたような気がするんだけど。それから竹中直人は頭からすっぽりシャワーカーテンかぶせられたままフリーズさせられてんだけど、あの中身は竹中直人じゃないやね。忙しいんだからフリーズさせられたとこまでスケジュール空けられるかって。 そしてこの事件で逃げていったかつての恋人=松岡俊介がヨリを戻しにやってくるのだった。ここでも松岡を迎え入れる前に、自分に染付いた臭いをシャワーで流そうとするしたたかさ。 女の部屋という限られた空間の中で、逃げようのない閉塞感と女のしたたかさがホラー以上の怖さを誘う。ただやっぱり井上晴美だと痛々しさが先に立ってしまって。。。。 まぁ、まともにレイプ話だとしてみるとムカツクの必死だね。
製作 石井隆 / 仁平幸男 / 豊忠雄 / 永江信昭 / 新津岳人 監督・脚本 石井隆 撮影 佐々木原保志 音楽 安川午朗 出演 井上晴美 / 鶴見辰吾 / 北村一輝 / 松岡俊介 / 竹中直人 / 飯島大介 / 伊藤洋三郎
★★★
2002年08月08日(木)
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