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 ▼ フェデリコ・フェリーニ『道』 (1954 伊)


 いつかこれは書いてやろうと思いながら、ついつい。ということで、まごれびゅ1周年記念のとっておき。
 で、何から書けばいい? というか、何を書けばいい? だいたい、みんなが「いい、いい!」と絶賛するような映画にはすすんでケチつけてみたくなるへそ曲がりでありますが、こと『道』に関しては文句の付けようが完璧な映画。何か文句ある? そしてあまりに簡潔で誰にでもわかることこの上なし。正直なところ、これ、わからんという人とはつきあいたくないです。 
 だからほんと何を書いたらいいのかわからんというか、書きたくない。これに人生を求めるもよし。でもボクはそれも書きたくないね。書いたらウソになりそで。。。。で、仕方がないので、ボクの好きなとこをちょこちょこと。

 ザンパノが他の女を連れて夜の街に消えて行ったあと、ジェルソミーナはオート三輪の脇に一晩座ってるでしょ。朝になって子どもがジェルソミーナになんか食べ物を持っていってやるんだけどあの子ども可愛い。
 子どもといえば、村の結婚式で、この結婚式の乱痴気騒ぎのシーンも好きなんだけど、そこで子どもらが、この子を笑わせてくれととっとことっとこジェルソミーナの前を走って行くのね、あの子どもの走る格好がむちゃ好き。あとほかのシーンなんかでも子どもが出てきてたけど子どもの使いかたが、ゑっ?と思うくらいにいい。何というのかなぁ、ボクのルーツ的なことどもの中に見え隠れする子どものイメージが描かれているんだよ。
 ワン公。あのキリストの行列のとこでうろちょろしてるの。このワン公もボクにとっては犬のイメージなんだよね。その行列に入っていくところで、三人の男がラッパを吹きながら、ジェルソミーナの上を歩いていく。このシーンもゑっ?と思うくらいに、何だか好き。
 上にちょっと書いた結婚式の乱痴気騒ぎね、その新郎新婦が出ていったあと、風に紙くずなんかが舞っている中にジェルソミーナが立っている。せつない。むちゃせつないんだよ。あそこは。このシーンに限らず、せつないづくしなんだけど、とりわけこの結婚式後のシーンはせつないねぇ。
 ほれほれこうして拾い上げだしたらきりがない。なんであのシーンを書かないんだって、そこはそれ、ヘソ曲がりだから。ただそれだけ。見てない人もいるんだからさ(^^;)
  ところで綱渡りは通称「キチガイ」と呼ばれてんとちがったっけ。いまのビデオの字幕では「まぬけ」になってたんですけど。じゃあゴダールのも『おまぬけピエロ』なのかい。

 じゃ最後に、とっておきのネタ。ザンパノのオート三輪の幌に描かれた絵、いいねぇ。え?何、なに? と聞くより自分で見なさい。 ロゴにもらってきたいくらい。

La Strada
製作 カルロ・ポンティ / ディノ・デ・ラウレンティス
監督 フェデリコ・フェリーニ
脚本 フェデリコ・フェリーニ / トゥリオ・ピネリ / エンニオ・フライアーノ
撮影 オテッロ・マルテッリ
音楽 ニーノ・ロータ
出演 ジュリエッタ・マシーナ / アンソニー・クイン / リチャード・ベースハート
★★★★★


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2002年09月13日(金)
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