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■ ▼ ウォン・カーウァイ『楽園の瑕』 (1994 香港)
なんちゃらゆう武侠小説ね、要はチャンバラ....興味ないです。なんかちゃんちゃんバラバラやってましたね。ドンパチな毛唐さんにとってチャンバラはもの珍しいのかもしれんがね、赤道鈴之助で育ったボクなんかにチャンバラったてねぇ、そもそも映像をいじくりまわさないと見られないようなチャンバラなんて、まともな殺陣師っておらんのかねぇ、と思ってしまう。とにかくチャンバラ・シーンは極度に退屈、ほとんど居眠ってました。 それに、お馬さん、ひっくり返されて可哀想としか。黒澤でもそうなんだけど、もっとお馬さん、大事にしてやってよねぇ。そりゃね、一大スペクトルに見せたいからなんでしょが、なんか必要あるんかい、と思ってしまう。 う〜んと、そういうとこ見てたら、ん?これ、王家衛なんかいと思ってしまうんだがね、いざ話が始まってしまうと、王家衛でほっとしたんだけど、どうもしっくり来ない。武侠小説の突拍子のなさと、メロドラマのもっちりとしたところが、かみあわない、ケンカしてる。どこかで一歩退いてしまってんだね。『天使の涙』のようにはまりこんでいけない。 それから砂漠ね、自然とねちぃーっとした人間とのコントラストってのつもりなのか、ところが、そのねちぃ〜っこい人間というのはオリエントであるのに、この砂漠が、全然オリエントでない。パゾリーニの荒漠な砂漠でなくて、『ザ・セル』の頭の砂漠のような妙なただもってきましたって感じ。これってクリストファー・ドイルというフィルターのせいなのか。描かれている人間に対して、タイマン張れてないんだよなぁ。 だるくてエエ加減に見てたせいもあるし、一大スペクタルちゃんばらに拒否感を感じてたせいもあって、まともに見れてない。ぼーっと、まぁそれはそれでいいんだろうけれど、時間軸が飛ぶしね、それに何と言っても王家衛への過度の期待感が邪魔をしたってところ。 見ていてぞくぞくしたのは手の動き、桃花(カリーナ・ラウ)が馬を撫でる手のエロチックなこと、触覚フェチのボクにとってはたまらない。手の動きがたまんないのは、これだけじゃなくて、にょほほほ。 山の向こうがどうちゃらこうちゃらっての、ひねりもなんもないね。
東邪西毒(Ashes of Time) 製作 ツァイ・ムホー 監督・脚本 ウォン・カーウァイ 原作 キン・ヨウ 撮影 クリストファー・ドイル 美術 ウィリアム・チョン 音楽 フランキー・チャン / ローエル・A・ガルシア 出演 レスリー・チャン / レオン・カーフェイ / ブリジット・リン / トニー・レオン / マギー・チャン / ジャッキー・チュン / カリーナ・ラウ / チャーリー・ヤン / バイ・リー
★★☆
2002年09月24日(火)
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