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 ▼ ペドロ・アルモドバル『私の秘密の花 』(1995 仏,スペイン)


 『オール・アバウト・マイ・マザー』でアルモドバルにまんまといっぱい食わされた人、この『私の秘密の花 』こそ、《全世界の女性たちひとりひとりの心を深く揺り動か》すでしょう。あ〜ん、またんなこと言うて騙すんでしょって、いや、これはアルモドバル150kmのど真ん中ストレートだぁ。ずばっと
 スペイン映画ってこんなにおしゃれでカラフルだと思わせてくれたのはアルモドバルでした。その中でも、とびきり色の使い方のきれいなのが、この『私の秘密の花 』。ほんと色の出し方がすごく好きなんだよね。ため息がでるくらい。ヒロイン=レオ(マリサ・パレデス)の赤いドレスはそのまま『オール・アバウト〜』に引き継がれていってるといってもいいでしょう。もちろん、このドラマの決めセリフも色。多分、この映画では色というひとつの映画のエレメントをもっとも重要視したんじゃないかな。例えば、睡眠薬を取りだす皿の色、マッチ針の頭の色。。。。
 それと映像としても、ガラスの反射、屈折をうまく使ったシーンだとか、籐の編み目、またレースを透かして見た映像であるとか、凝ってはいるのにそれが鼻に付くことなくすっと受け入れてしまえるのは全体のセンスの良さなんだろな。
 さてドラマのほうはちょっと20代にはしんどいかもしれない。せめて30,欲を言えば40かな。大人の恋愛感情というか結婚観というか、何なんしょ(^◇^;) それでね、アルモドバルはどれだってそうなんだけど、いわゆる「熟女」を描くのがとてもうまいなぁと思う。よおくわかっていらっしゃるというかね。
 それからほんとど真ん中の直球勝負というように、『ライブ・フレッシュ』のようにみんなで遊びまくっている中から滲みだしてくるのでなくて、脚本からして無駄というのが感じられない。頭のいわゆる「つかみ」の部分が、一見なんじゃこりゃもんなんだが、なかなかどうして効果的。起承転結の転での学生のデモのシーン、そして何と言っても、スペイン広場(だよね)のシーン。切ないねぇ。。。。

La Flor De Mi Secreto
製作総指揮 アグスティン・アルモドバル
製作 エステル・ガルシア
監督・脚本 ペドロ・アルモドバル
撮影 アフォンソ・ベアト
音楽 アルベルト・イグレシアス
出演 マリサ・パレデス / ロッシ・デ・パルマ / イマノル・アリアス / チェス・ランプレアベ<
★★★★★



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2002年09月27日(金)
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