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■ ▼ ジャン=リュック・ゴダール『パッション 』(1982 スイス,仏)
このチラシはアングルの「浴女」だと言われたらなるほどそうだと思うでしょ。まずはこの『パッション』で目を惹くのが、生きた人間を配して、レンブラントに始まり、ゴヤ、ドラクロワ、グレコを映像として創りだして行くこと。これがおもしろい。これだけでも見る価値ありってところ。こればっかりはビデオでブラウン管の中で見るよりもミニシアターといえどスクリーンで見るべきだなと思う。画集とホンモノを見るほどの違いがある。 まず設定としてはジェルジー(イエジー・ラジビオビッチ)は美術関係のテレビディレクター。ここで映画監督でなくてテレビディレクターという設定がゴダールのシニカルさが出てるわけなんだけれど、そういうことは映画評論家にまかせておいて、それでもちらっと言うておくと1982年というこの80年代あたまの頃は完全に映画とテレビの立場が逆転したころなんですねー。そしてまた映像の素材としてそれをクラシカルな絵画に求めたというのもゴダ−ルらしいといえばゴダールらしい。画像としてあるものを映像として描き上げることのアヴァンギャルド性というか倒錯しているというか、後にデレク・ジャーマンも『カラバッジオ』でやってしまうんだけど。とにかくジェルジー自身に言わせる「光」なのネ。ま、難しい話はやめとこ。底がバレてしまう(^_^ゞ でね、家に帰ってから、これを書くのに《アングル Jean-Auguste-Dominique Ingres》で検索かけてみたよ。これね。似てるようで似てないじゃないですか。騙された(^_^ゞ ここらあたりからまごちゃんらしい話になって行きますが、思うにゴダールってのは、肉感的な女よりどっちかというとスレンダーな女好みだよねぇ。アンナ・カリーナにしろ、アンヌ・ヴィアゼムスキーにしたって、そしてこの『パッション』のイザベル・ユペールやハンナ・シグラにしたってスレンダー。ボクの好みにばっちりなんだよねぇ。ちなみにアングルの裸婦に比べてこのゴダールの裸婦のウエストのくいっと締まってるのはどうよ。ボクは迷わずゴダールの裸婦のほうに行くナ(^O^) 余談ですが、プールサイドの女に向かって「ちょっと水の中に入って、☆のようになってくれるか」と。をー、フランスでは「大の字」とは言わないのだφ(。_。)メモメモ←当たり前ぢゃ(-_-) そして「宇宙の裂け目が見えた」 ちょっとマジメな話に戻しますと、物語? そんなものはあってありません(+_+)(きょうはやたらフェイスマーク出てくる(^_^ゞ) 強いていえば三角関係デス。それよりも物語というか、不整合なところ、それは編集などによるところが大きいんだけれど、その不整合性で頭の中が掻乱される。それがまた快感でもあるわけですネ。音楽の重ね方にしてもそう。ほとんどがクラシックで、ボクとしては弱いんだけれど、それがクルマのクラクションでブレイクされること再三。これがゴダールと知って見てるからニヤニヤもしてられるものの、蹴飛ばして出て行ったろかと思うてしまうだろうな。 あと時代的にポーランドというキータームがあるのだろうけれどそんなこと知っちゃいないで済まして、変態的快感に酔いしれておきましょう。 冒頭の飛行機雲にぶっとんじゃってください。
Passion 監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール 撮影 ラウール・クタール 出演 イザベル・ユペール / ハンナ・シグラ / イエジー・ラジビオビッチ / ミシェル・ピコリ
★★★★☆
2002年12月17日(火)
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