nikki-site 雑文速報
 あいうえお順INDEX 



 ▼ クリストファー・ノーラン『メメント』 (2000 米)


 たまにはね、こういう類のも見てみやんとね、というわけで、PS2が入ったことだし、DVD借りてきてみましたのですワ。まずはDVDってのは、アレですね、ヤワいというか、もろDVDの脆弱なところ丸出し。というのは、ちょいとした汚れでデータ読み込めなくなる(-.-;) 以前にレンタルレコード屋のオーナーがアナログレコードからCDに移行して行くときに、CDのほうが危険率は高いと嘆いてたんよネ。音飛びなどの危険性が大きいと。それがDVDでも言えるなぁとつくづく思う。借りてきたDVDは盤面を見るに結構汚れておった。レンタルってことで扱いがひどいんだろうな。
 ま、れびゅにあんまり関係ないと言えばないんですが、非常に調子のよろしくなくて、データ飛び起こすわけです。さて『メメント』をすでに見た人はわかるけれど、時間軸がまるっきり逆転させてしまってるんですネ。そこでデータ飛び起こせば、どうなるか。少なくとも「観客の記憶力…ん?思考力だっけか、をらメモ出せ、胸んとこ見てみろ、をらをら、忘れた、もう見終わって30分以上経つのだからあったり前田のクラッカー! 何でもいいけどが「観客の記憶力試されれる映画」と標榜している映画にあって、この追い撃ちをかけるようなDVDの錯乱は辛いモンがある。ChapterだけじゃなしにCDのようにtimeで管理できんのか?
 さてと、また話は横に逸らしてしまうんだが、つい最近読んでいた森山大道の『犬の記憶』では、さまざまに「記憶」というものに対してのアプローチと森山大道自身が、それらの記憶のはざまで葛藤し、「記憶」にたたきのめされ、それでもなお「記憶」を再構築していく姿が強烈だった。いまここで引用しようとしたが見当たらない。別の引用をしておくと、三島由紀夫の『天人五衰』の聡子の
「記憶と言うてもな、映る筈もない遠すぎるものを映しもすれば、それを近いもののやうに見せもすれば、幻の眼鏡のやうなものやさかいに」
 というふうに「記憶」ということに関しては、ある意味ではボク自身がひどく敏感である状態で、さてこの『メメント』を見てみると、いかにもつまらない。「前向健忘症」からはみ出て、「記憶」に関して、三島や森山に迫っているのかというと、う〜〜ん????と?をいくつもつけざるを得ないというのが正直なボクの感想。
 もっとも、映画自体が掃いて捨てるほどにつまらないのかというとそうでもなくて、構成であるとか、ふっとリンチを思わせるような心理戦であるとかはおもしろくて、なんとかDVDの調子の悪さの中で最後まで見通すことができた。
 でもな、ポラロイドカメラにしたって、タットゥーにしたって、このバカバカしい大仰さはボクの性には合わなかったのも確か。時間軸の逆転にしたって、あ、これ最後の最後まで巻き戻す腹積もりだなと、結局見え透いてしまうしネ。
  娯楽映画、サスペンスとして評価の高いのはわかるし、ボクもそれなりにおもしろいと思ったけど、それ以上になんだかんだとゴタクを並べられるとちょいとネ(-.-;)


Memento
製作 スザンヌ・トッド
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン
原案 ジョナサン・ノーラン
撮影 ウォリー・フィスター
出演 ガイ・ピアース / キャリー・アン・モス / ジョー・パントリアーノ / マーク・ブーン・ジュニア / スティーブン・トボロウスキー / ジョージャ・フォックス / ハリエット・サンソム・ハリス
★★★



↑投票ボタン




2002年12月20日(金)
 ≪   ≫   NEW   INDEX   アイウエオ順INDEX   MAIL   HOME 


エンピツ投票ボタン↑
My追加