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 ▼ 侯孝賢『好男好女』 (1995 台,日)



降参!(-.-;)
AllCinemaOnlineから引用すると
映画「好男好女」の蒋碧玉の役を演じることになっている女優・梁静は見知らぬ者に日記を盗まれてその者から無言電話をかけられ、その日記をファックスで送られている。そんな中、梁静は次第に自分の過去を思い起こしていた−−銃殺された恋人、阿威と過ごした短い時間−−やがて彼女は自分が蒋碧玉と同一化していくのを感じ始めていた……。この作品には“映画の中の映画”、現代の現実社会、ごく最近の過去という三つの流れがある。台北に生きる若い女優を主人公にして、過去の出来事は彼女がこれから演じるであろう劇中劇という形で進行し、現代の台北でのヒロインの日常と、ヒロインの想像として提示される過去の悲恋の物語という、一見大きな隔たりがあるように思えながら、微妙なところで次第に重なり合ってくる2つのラブ・ストーリーが並行して展開してゆくという構造だ。


 がぁ、むちゃ長い引用になったけど、これだけ引用しても、なおわかりづらい。「“映画の中の映画”、現代の現実社会、ごく最近の過去という三つの流れがある」というけれど、この3つを繋ぐのは、リャンジン、蒋碧玉(伊能静 一人二役)でしょう。ところがこの伊能静にそこまで求めるのは酷ってもんちゃう。それだけの存在感がないもん。だから、この時制が混乱する。なんで侯孝賢はこのような構造を求めたんか、ボクにはようわかりません。あまりに時制をいじくり回せばいいってもんでもなかろうに。
 たぶんね、このAllCinemaOnlineの解説を見てから、この映画を見ても、混乱するだろうな。まず構造を理解するだけで前半は終わってしまう。いちおう“映画の中の映画”のパートはモノクロに色を落としてあるから。それでもこのシーンはどれに入るシーンなのか、しまいにはうんざりしてきた。
 あ〜〜ん、ひょっとして、リャンジンという女優の中での同一化と混乱を描き出したかったのかい? もしそうならば、あんたの勝ちだよ。だけどその混乱を見せられ、体験させられたところで、何がどうなんだ?という疑問は残るね。
 もうひとつ、“映画の中の映画”として提示された「白日テロ」は長い間、台湾では臭いものとしてフタをされてたらしい。侯孝賢の映画の場合、ある程度の中国、台湾の近代から現代への歴史の流れを知ってないとつらいものがある。まだ『悲情城市』『戯夢人生』にはついて行けてもなぁ。台湾=王貞治でしかないこの平和ボケした日本にあって、あ、日本だけじゃなくて、台湾以外の観客に、映画の構造以上につらい歴史観をつきつけるのは酷なんじゃない。
 解きほぐせばもっとおもしろくなるのになぁ。頭からスタートしたらダメだよ。

Haonan haonu
製作 奥山和由 / ヤン・ダンクイ / 水野勝博 / 市山尚三 / シェ・ピンハン / キン・ジェウェン
監督 侯孝賢
脚本 チュー・ティエンウェン
原作 ジャン・ピーユ / ラン・ボーチョウ
撮影 チェン・ホワイエン
美術 ホァン・ウェンイン
音楽 ジャン・シャオウェン
出演 伊能静 / リン・チャン / カオ・ジエ / ウェイ・シャオホェイ / キン・ジェウェン / ツァイ・チェンナン / ラン・ボーチョウ / ルー・リーチン / ガオ・ミン
★★☆



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2002年12月23日(月)
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