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 ▼ 田中登『発禁本「美人乱舞」より 責める!』(1977 日)


 はじめに言うときますが18禁です。SM趣味ちゃうわという人には絶対お薦めできません。別にSMの気がなくても十分だけど、そんなもんと目を背ける人はほんとやめときましょう。
 いざ、ボク、これは田中登の最高傑作だと思うんだけどなぁ。宮下順子もこれがベストアクトというてもいいかも。宮下順子はほかにもいろいろ好きなのあるから言い切れないんだけど。
 『実録阿部定』、『屋根裏の散歩者』、それとこの『責める!』で昭和史三部作。前2つは昭和十一年つまり二・二六をからめて、それはそれでわからないではないけれど、なんぼ70年代に二・二六に光が当てられていたとはいえ、多少空回り的なところもあった。まぁ、阿部定と二・二六を切り離せというのは無理なんだけど。
 『責める!』は伊藤晴雨がモデル。ついでに言うとくと、伊藤晴雨と竹久夢二はお葉をめぐって恋敵ね。そのお葉さんを縛って緊縛絵を描いたというのは、知る人ぞ知っている話。ちなみに『およう』という映画では竹中直人が伊藤晴雨を演ってるらしいが、まだ観てない。この伊藤晴雨に怪優=山谷初男。伊藤晴雨に関してそう知ってるわけではないから、山谷初男の伊藤晴雨がどうとか言い様がないんだけれど、伊藤晴雨をモデルにしてはいても、伊藤晴雨その人がメインじゃなくてやっぱり宮下順子(タエ)だから。
 その宮下順子、悶絶しました。すべては仕組まれた演技とはいえ、表情が千変万化。とくに髪の毛を縛り上げて吊るされるシーンでの宮下順子の顔はもうなんともいえない。ああ、夢に出てきそう。。。。。たいがいSMもののビデオなんかも見てるけれど、これって演技力、演出力の差かね。ちなみにSMビデオなんかの名和師=濡木痴夢男に言わせると、《つくづく「この人は髪フェチだなあ」と思う》ですもの。晴雨がタエの島田を結って、それを崩していくとかね、最後にはどさっとタエの髪が抜けて。。。ほんと髪フェチなのだ。
 「別れたかみさんともいまみたいなことしたの。。。。そう、したの。。。したのね」
 もうこれですよ、これ。これって殺し文句でしょ。




監督 田中登
脚本 いどあきお
撮影 森勝
美術 坂口武玄
出演 宮下順子 / 山谷初男 / 南寿美子 / 工藤麻屋 / 中島葵 / 新城理絵
★★★★★



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2003年01月07日(火)
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