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 ▼ マルコ・フェレーリ『バイバイ・モンキー コーネリアスの夢』 (1978 仏, 伊)


 このチラシ見たら、けっこうマンガっぽいんですけど....これ、マンハッタンの先っぽの海上に浮かぶスタッテン島なんかなぁ、かのWTCの瓦礫を運び込んだ巨大なゴミ処理場があるところ。たぶんそうだと思うんだけれど、ここからとらえられた摩天楼の絵がとてつもなく素敵なのだ。ゴミ処理場と言っても粗大ごみや産廃ゴミが山積みになった場所なのでなく、ただ人工的に荒涼とした土砂の広場。その向こうに、かなりの望遠かなにかで摩天楼を極度にひっぱってきてる。でももう一度巻き戻してみると、望遠で引っ張ったにしては近すぎる。WTCがすぐバックに見えてんだぞ。とにかく、人工的に荒涼とした土砂の広場、それとWTC,ちらちら見えるエンパイアステートビル、そのこと自体がこの映画そのものを象徴的に表現している、とボクは見るね。
 さて、この映画にジェラール・ドパルデューとマルチェロ・マストロヤンニを起用するというのがなんともすごいネ。日本じゃそうそう語られることはないのだが、そこはマルコ・フェレーリ監督の貫録ってところか。若きジェラール・ドパルデューはともかくとして、まさか、かの『ひまわり』『ひきしお』のマストロヤンニがと思えてしまえる役回りなのだが、このマストロヤンニが思いきりはまっている。すごいなぁ、こういうふうに化けることもできるんだから。なんかね、ボクのイメージでは『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツにも重なってしまう。もちろんこっちのほうが先だから、ブルーノ・ガンツがマストロヤンニに重なったというべきか。
 ドパルデューのほうはどうかっていうと、なんですか、あのホイッスル、ひゅーひゅー吹いているのは、思わず、村西とおるかって(はい、ここで(爆)ってしまった人、手を挙げて!) いや、ドバルデューに関しては、ようわからん(^_^;アハハ… その後のドパルデューからすると、若かった(笑)
 イタリアから密入国しているルイジ役のマストロヤンニ、それからローマ帝国をつくりあげようとする禿のおっさんフラックスマン(ジェームズ・ココ)、この二人でがんがん引っ張っていってるようなもの。うーんと、まさに『ゴドーを待ちながら』なんだよね。この二人って。
 そしてここにラファイエット(ドパルデュー)とアンジェリカ(ゲイル・ローレンス)のラブコメディーがからむ。余談ですが、ゲイル・ローレンスのおっぱいは素敵。彼女なんかまともなのはこれ1本こっきりのようで、アビゲイル・クレイトンの名前でポルノに出てるらしい。けっこうボク的にそそられるタイプなんだけどなぁ。
 をっと、肝心かなめのチンパンジーとネズミだ! チンパンジーにネズミがいなければ話が動かないのだった。
 いきなりのっけから、ドパルデューの青いベロが大写しになって、そっから宇宙防衛軍だろ、それでローマ帝国博物館(これは見ものよ)、とどめはゴミ処理場のキングコングだもん。ルイジの住んでいるというボロ家も良かったなぁ。
 で、一句浮かんだ。


 韜晦の小島の砂のごみだめにわれ笛吹いて猿と戯る

Reve De Singe
製作総指揮 ジャクリーヌ・フェレーリ
製作 ジョルジオ・ノチェラ / モーリス・ベルナール / イブ・ガッセ / イベ・ペイロ
監督 マルコ・フェレーリ
脚本 マルコ・フェレーリ / ジェラール・ブラッシュ / ラファエル・アズコーナ
原作 マルコ・フェレーリ
撮影 ルチアーノ・トボリ
音楽 フィリップ・サルド
出演 ジェラール・ドパルデュー / マルチェロ・マストロヤンニ / ジェームズ・ココ / ゲイル・ローレンス / ジェラルディン・フィッツジェラルド / ステファニア・カッシーニ /  
クラレンス・ミューズ
★★★★☆



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2003年01月10日(金)
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