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 ▼ ジョン・カサべテス『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』 (1976 米)


 カサベテスといえば、ジーナ・ローランズ。だがこの『チャイニーズ・ブッキー〜』には出てません。前作の『こわれゆく女』の超熱演で1回お休み。その分、ベン・ギャザラが、まさに男ジーナ・ローランズってところ。次の『オープニング・ナイト』ではジーナ・ローランズとそろって演出家役で出てます。『チャイニーズ〜』ではほんとベン・ギャザラの独壇場。
 ベン・ギャザラ扮するコズモ・ヴィテリはロスのショーパブのオーナー。オーナー自らショーを仕切り、店もなんとか軌道に乗せた。そこに待ち受けてた落とし穴が、踊り子を連れてぱぁーーっと繰り出したポーカーで23000ドルの借金を背負わされてしまう。う〜んとね、1ドル200円計算で460万か。それくらい、何とかならんのかいナと下世話なことを考えておったのですが。893さん達の世界じゃ、千万単位で金が動くとか聞いたんだけどナ。その借金のカタに連れてた女の子を売り飛ばされて、あわれ女の子たちは。。。。をひをひ、勝手に話をねじ曲げたらアカンじゃないの(-。-;) はい、ロスの裏世界の中国人ボス=チャイニーズ・ブッキーを殺れと。ここからフィルム・ノワールなんだよねぇ。このマフィアの連中が『ゴッド・ファーザー』のようにばしっとかっこよくはないんだけど、怖いの。ドス効いてるというか、有無を言わさないの。ヴィテリにピストルと盗難車を与えて、行って来い! ところがこの盗難車がとんでもないクルマで、あれはマフィアが仕組んでたんかね、まぁどっちでもいいや。それで歩いて、チャイニーズ・ブッキーの牙城に単身乗り込んでいく。しょぼいです。あららという間に、チャイニーズ・ブッキーも殺ってしまって、派手なドンパン期待してる人には何ジャこりゃモンなんだろなぁ。でもボクは、この程度がいいや。ランボーじゃないんだからサ。で、怖いのはこのあと。もう完璧にネタばらしだなぁ。やめとこ。でもしょぼいと言えばしょぼい。派手さで言えば『グロリア』のほうがはるかに派手にドンパンやってるよなぁ。でも派手にドンパンやらなくても、たとえしょぼかろうが、がしっと見てる側が捕まえられてしまうのが凄いのだよ。全部で10発弾飛んでないんじゃないか。でも、びりびりとした緊張感がたまらない。
 で、表の本筋はこんなとこでカンニンしといたろ。この表の本筋より、おもろいのが、ショーパブ=クレイジーホース。なんちゅうても、「ミスターもてもて」(Mr. Sophisticationがなんでこんな訳になるネン(^_^ゞ)でしょ。コズモ・ヴィテリとショーパブとの関わり。実はこっちがほんまのほんまの本筋なんだよなぁ。フィルム・ノワールは味付け。だから必要以上にミスターもてもてのパートが長いのは当然のこと。また、その「ミスターもてもて」のメーダ・ロバーツがむちゃくちゃに、いい味出してんのよ。ラスト15分の展開は息を飲んでしまう。だから悲劇的ではあっても、納得してしまう爽快感がたまらない。「決して結末は言わないで下さい」ってか(笑)

THE KILLING OF A CHINESE BOOKIE
製作 アル・ルーバン
監督・脚本 ジョン・カサベテス
撮影 フレデリック・エルムズ / マイク・フェリス / アル・ルーバン
音楽 ボー・ハーウッド
出演 ベン・ギャザラ / ティモシー・アゴリア・ケリー / シーモア・カッセル / アジジ・ジョハリ / メーダ・ロバーツ / アリス・フリードランド / アル・ルーバン
★★★★★



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2003年02月09日(日)
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