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■ ルイス・ブニュエル『小間使いの日記』 (1963 仏, 伊)
ブニュエルってのは非常に不思議に思ってしまうのが、なんでこのような女優を使って、こんなにも変態な映画を撮れるんだろうってこと。ジャンヌ・モローってもうこのときすでに大女優の域に達していて、格から言うと、このあとの『昼顔』のドヌーブより上でしょ。そのような大女優を使って、よくもかくもいやらしい変態映画を作れるなと、ほとほとあきれかえる。いや、どうなってたんだろな、この当時のプロダクションシステムってのは。 原作がオクターヴ・ミルボー、知らんって。そこで調べたところ『責苦の庭』なんてのがフランス世紀末文学叢書にあるとな。ふむふむ、なんか臭いがしてきた。どうもこの『小間使いの日記』は20世紀の初頭らしい。日本での出版は大正12年というから、1922年か。アナーキストのシンパだったとかの記述も。ふむ、なるほど、なるほど。どうもかなり原作にけっこう忠実だとか。さらに《オクターヴ・ミルボー》で検索をかけると、こんなページまで。と、いうことなのね。はい、これでなんだかわかりました。元々そういう話だったのだ。 ちょっと意外だったのは、ジャン・ルノワールが先に映画化(1946年)しているということ。ジャン・ルノワールについてはそう見てるわけでないのでどうだかわからないけれど、そう言われれば何となく想像もできる。 何げに今回のまごれびゅは周辺ばっかりではぐらかしてるでしょ。ふふふ・・・こういう書き方をすると見たくなるじゃん(^_^) ほんと見てのお楽しみにしておきたいのよ。すこっとエロいわけじゃないのにそこはかとないエロさがね。もちブニュエルのトレードマークの脚フェチ....わを〜っ、ぞくぞくする、ばりばりのジャンヌ・モローの脚だぞ。これ見ないで死ねるか。ひゃぁあああ〜エスカルゴ...ブニュエル的エロチックさが充満していて、このエロっぽさというのはあとに引くんだよなぁ。さらには、よくわからないまでも痛烈な体制批判、カトリック嫌悪がちらちらと。これってほんまたまりまへんなぁ。いやもうやっぱりブニュエルって最高! この『小間使いの日記』は、ブニュエルが、製作セルジュ・シルベルマン、それに脚本ジャン=クロード・カリエールと組んだめくるめく後期ブニュエルの最初の第一歩。ちょっとお勉強しておきますと(allcinema ONLINEより)
| 製作 | 脚本
| 小間使の日記 (1963) | シルベルマン / ミシェル・サブラ | ブニュエル / カリエール
| 砂漠のシモン (1965) | |
| 昼顔 (1967) | | ブニュエル / カリエール
| 銀河 (1968) | ウリ・ピカール / シルベルマン | ブニュエル / カリエール
| 哀しみのトリスターナ (1970) | | ブニュエル / フリオ・アレハンドロ
| ブルジョワジーの秘かな愉しみ (1972) | シルベルマン | ブニュエル / カリエール
| 自由の幻想 (1974) | シルベルマン | ブニュエル / カリエール
| 欲望のあいまいな対象 (1977) | シルベルマン | ブニュエル / カリエール |
LE JOURNAL D'UNE FEMME DE CHAMBRE 製作 セルジュ・シルベルマン / ミシェル・サブラ 監督 ルイス・ブニュエル 脚本 ルイス・ブニュエル / ジャン=クロード・カリエール 原作 オクターヴ・ミルボー 撮影 ロジェ・フェルー 美術 ジョルジュ・ワケヴィッチ 出演 ジャンヌ・モロー / ミシェル・ピコリ / ジョルジュ・ジュレ / フランソワーズ・リュガーニュ / ジャン・オゼンヌ
★★★★★
2003年04月03日(木)
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