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 ジャン=ジャック・ベネックス『ディーバ』 (1981 仏)


 CinemaScapeのコメントでけにろんさんが「何から何まであざとい。」と酷いコメントをアップしてるんだけど、思わず投票してしまいました(^_^ゞ そうずこんとあざといと言われると、もうボクが書くことなんもないです。おしまい(笑)
 っと、もうちょっとゴタク書いて見ますが、これってもう20年も前の映画だったのだ。全然こんなのあったの知らんかったよ。ボクの場合、ふっと抜け落ちてしまってるのがあるから、このまごれびゅというのは、いかに偏って、さらにエエ加減かようわかるでしょ。
 ディーバ=シンシア・ホーキンス(フェルナンデス)に入れ込んだジュール(フレデリック・アンドレイ)、この二人のアンバランスさはいかにもあざといんよな。あまりにジュールのしょぼさには違和感を感じてしまう。んで、入れ込んだジュールはコンサートでこっそりテープに録音。しかもどういうわけか、楽屋にまで入り込めて(ほんと調子いいんだから)、ディーバのステージ衣装を盗みだす。そこから裏世界のごたごたに巻き込まれて行く。ここからサスペンス仕立てにはなってくんだけど、ディーバとジュールの関係、それとサスペンスのどっちつかず。そこへゴロディッシュ(ボーランジェ)とアルバ(チュイ・アン・リュ)がからんで、この二人もなんだかなぁ。単品として見たらおもしろそうではあるけれど、全体の流れからするとしっくりこないであざといの極致。
 一方、サスペンスのほうはっていうと、ありきたりの蓋を開けてみると、黒幕は警察のえらいさんだったりして、その手先が"カリブ海"(ジェラール・ダーモン)と"スキンヘッド"(ドミニク・ピノン)。この二人が、またへっぽこでキレがない。あ、芸にキレがないというわけではなくて、ドラマとしてのキレがない。「この二人組も単品としてはおもしろそうだけど、あざとい。
 冒頭でのウィルヘルメニア・ウィギンス・フェルナンデス本人の熱唱、裸足でふらふらと歩く女、そこらのインパクトに、をっと思わせてくれるのもはじめのうちだけで、いつの間にやら平々凡々。つまりですね、妙な受け狙いが目立ちすぎるわけですよ。地下鉄の吹きだしにスカートがめくれあがるというモンローのシーンにしたってね、もうそのシーンが出てくる以前につまんなく感じてしまってんだから、鼻白むだけ。とってつけたようなラストでどっと白けきってる。おもしろかったのはカーチェースならぬ、ミニ・バイクで地下鉄に逃げ込むとこくらいかな。あといわゆるベネックス・ブルーと言われる青を基本した色使いくらい。
 ん〜っとですね、ジャン=ジャック・ベネックスというのは『ベティ・ブルー』の印象がきつかったから、リュック・ベンソンとは違うわなぁと思いながらも、ほれ、こないだも『青い夢の女』で、がくっと来てしまってんのに、ついビデオ屋にDVDが並んでいて、ジャン=ジャック・ベネックスの名前だけで借りてしまったんよなぁ。ジャン=ジャックと来たら、つい手が伸びてしまうとおおうのも考えもんだわ。そのあとにベネックスと来たら、もう手を引っ込めることにしよう。ところで『溝の中の月』なんてフランス映画っぽいタイトルなんだけど、どうなの? なんかほんと、ベネックスはもういいやって気になってんだけど。

La Tentation D'isabelle
製作 イレーヌ・シルベルマン
監督 ジャン=ジャック・ベネックス
脚本 ジャン=ジャック・ベネックス / ジャン・バン・オム
原作 デラコルタ
撮影 フィリップ・ルスロ
音楽 ウラジミール・コスマ
出演 ウィルヘルメニア・ウィギンス・フェルナンデス / フレデリック・アンドレイ / リシャール・ボーランジェ / チュイ・アン・リュ / ドミニク・ピノン / ジェラール・ダーモン
★★



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2003年05月14日(水)
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