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 フランソワ・トリュフォー『日曜日が待ち遠しい!』 (1982 仏)

 トリュフォーの遺作。というべきか、遺作となってしまったというほうが正確かもしれない。遺作というと、もっと肩肘はったものかのように思えるけれど、そんなんでもなくて、多分トリュフォー自身もまさかこれが遺作になるとは思ってなかったんじゃないか。なんせ、この1年前の81年には主演のファニー・アルダンと再婚してるし、52歳という若さで逝ってしまったんだから。
 意外に思えるのがまずトリュフォーとサスペンスという組み合わせ。それから82年の作品でありながらモノクロだということ。それはフィルムノワールを意識したのかどうだかわからないけれど、サスペンスはモノクロのほうが気分が出てボクは好きだな。というか、映画でも写真でもモノクロのほうがボクは好きだけなのかも。
 不動産屋のベルセル(トランティニャン)の周りで連続殺人が起こる。当然のことながらベルセルに嫌疑がかかるが、その無実を求めて、秘書のバルバラ(アルダン)が女探偵よろしく活躍する、とただそれだけ。サスペンスとしてそう評価できるもんじゃないな。といっても、火曜サスペンスなんかと比べられないけどな。で、やっぱり最後には大人の恋になってしまうところは、やっぱりさすがトリュフォーってところ。べとべとのメロドラマでなくて、さらっとしてるんだけどね。
 それよりもこれはずばりトリュフォーが、どうオレの女、かっこいいだろぉ〜!って映画だな。たぶんトリュフォーよりファニー・アルダンのほうがでかいんじゃない。男物のコートを着て颯爽と探偵してるとこなんかかっこいいったら。それに脚のラインのきれいさ。それをさりげなくきっちり見せるってところが憎い。
 それから話のつなぎではさまれる緩急の絶妙さはうまいなぁ。それとタイトルの「日曜日が待ち遠しい!」の使い方はちょっと真似できないね。

VIVEMENT DIMANCHE!
監督 フランソワ・トリュフォー
製作 アルマン・バーバー
原作 チャールズ・ウィリアムズ
脚本 フランソワ・トリュフォー / シュザンヌ・シフマン / ジャン・オーレル
撮影 ネストール・アルメンドロス / フロラン・バザン / テッサ・ラシーヌ
音楽 ジョルジュ・ドルリュー
出演 ファニー・アルダン / ジャン=ルイ・トランティニャン / カロリーヌ・シホール
★★★☆



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2003年06月28日(土)
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