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 サンドラ・ネットルベック『マーサの幸せレシピ』(2001 独)

  《天才的シェフ、マーサのレシピにひとつだけ欠けているものとは…?》、はたまた《”幸せ”はほんのちょっとのさじ加減。》とは、キャッチコピーから。う〜んと、そんなのでいいのか。
 ラインとしては『ショコラ』と、同じかいなと。人が幸せになっていくのを嫉むわけでもないし、他人の不幸こそ楽しいだなんて考えてるわけでもないのだけれど、そんなに簡単に幸せになっちゃっていいんだろうか。
 『ショコラ』にすでに書いたことだけれど、「どの味を噛みしめればよいのかわからなくなってしまう」。マーサの作りだすフランス料理は、フォアグラであったり、鳩料理であったり、確かに美味しそうではある。その割りにはあまり腹が減ってこなかったのは、昼ごはんの直後に食べたせい? 
 とくにおもしろい挿話に、フォアグラが生だとケチをつける客がいる。その客に向かって、マーサはフォアグラはそう料理するのが美味しいのだ。それで文句があるなら、レバーソーセージを食べてろとくってかかる。そういうマーサにそのレストランのオーナーは、客が生と言ったら生なのだと。この映画のシェフであるところの監督・脚本のサンドラ・ネットルベックも、結局は最上のフォアグラを、僕たち客に供してはいる。が、そのフォアグラが生だとケチをつける客もいることを忘れてないか。確かに《”幸せ”はほんのちょっとのさじ加減。》であるかもしれない。だが、その料理にタバスコをふりかけたい客もいるのだ。
 いや、ほんとこの『マーサの幸せレシピ』にしたって、『ショコラ』にしたって悪くはないんだよ。それでも、このような映画が、立て続けに現れてくることが、どうもこそばゆいような、不気味なような気がして落ち着かない。
 ちなみにこの映画の中で一番食いたい!と思ったのは、マーサの料理じゃなく、マリオのバジリコのパスタでした。
 
Marthas Rezept
監督・脚本 サンドラ・ネットルベック
撮影 ミヒャエル・ベルトル
衣装 ベッティナ・ヘルミ
音楽 マンフレット・アイヒャー
出演 マルティナ・ゲデック / セルジョ・カステリット / マクシメ・フェルステ / ジビレ・カノニカ / カーチャ・シュトゥット / イディール・ユーナー / アントニオ・ヴァネック / オリヴァー・ブロウミス / アウグスト・ツィルナー / ゾーレン・ウルリク・トムセン / ディエゴ・リボン
★★★



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2003年07月11日(金)
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