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 マイク・リー『ネイキッド』 (1993 英) ★★★★

 ビデオにつけられたサブタイトル《快楽に満ちた苦痛》。。。これ、なんだんねん? レンタル屋の隅のほうで見つけたんだけどねぇ。とほほのサブタイトルだし、なんかとりようによってはSMっぽい洋ピンととれなくもない。《快楽》《苦痛》だもん。それにひっかかって借りたりすると、30分ほどでほぉりだしてしまうにちがいない。
 と、いうボクも、ここ最近腰痛でひっくり返ってるから、たまには気楽にエロいのでも見ようって、アテが外れたような、しかし拾い物をしたような。。。。それでもいきなりマンチェスターかどっかの裏通りでレイプしてるところから始まるんだから、キワモノと思うてしまうやんなぁ。
 メインアクトのジョニー(デヴィッド・シューリス)、その元恋人ルイージ(レスリー・シャープ)、ルイージと同居しているパンク女ソフィ(カトリン・カートリッジ)、看護婦のサンドラ(クレア・スキナー)、それからわけわからん闖入者ジェレミー(グレッグ・クラットウェル) この連中のどうにも癒しようのない生活が赤裸々に描かれていく。まぁこんなとこでしょうか(笑) いきなりエッチしてるかと思うと「人は自然に飽き、人生に飽き、全宇宙にさえ飽き、安っぽいスリルを求め、その空虚さに気がつかず、見かけの派手さに目がくらんでいる」という類のジョニーの黙示録がぽんぽん飛びだしてきて、これがおもしろいんよね。
 話の筋、なんてのはあってないに等しいのだが、女3人が共同生活している中に、ジョニーが転がり込んで、勝手に飛びだして、まぁ映画はジョニーを追いかけていくのだけれど、その先々でジョニー版黙示録を撒き散らして、再び共同生活の中に舞い戻ってくる。けれど。。。ってなわけで、うーん、なんか説明しようのない、ジム・ジャームッシュっぽいといえばいえなくもない。とにかく凄いのは、デヴィッド・シューリスのマシンガンのような黙示録であり、徹底してジョニー(デヴィッド・シューリス)、そしてジョニーに関わる人間たちをカリカチュアすることで成り立っている。これでシューリスはカンヌで男優賞もらったらしいよ。ま、もらっても当然だろ。
 ガードマンとの話はわかりやすいけどな、それよりマギーを探す男とのからみが間が抜けていておもしろかったな。ちょっと不思議な魅力がある映画。でもイギリスだけに、映像的にちょっと重いかな。


NAKED
監督・脚本 マイク・リー
製作 サイモン・チャニング=ウィリアムズ / リチャード・ハシモト
撮影 ディック・ポープ
音楽 アンドリュー・ディクソン
出演 デヴィッド・シューリス / カトリン・カートリッジ / レスリー・シャープ / グレッグ・クラットウェル / クレア・スキナー / ピーター・ワイト / ユエン・ブレムナー

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2003年11月02日(日)
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