|
|
■■■
■■
■ 行定勲『贅沢な骨』(2001 日) ★☆
途中までおもしろかったけどな。もう後半だれだれのよだれかけ あのですね、ずばっと書いてしまいますが、提示されるイメージが安直すぎる。あのミキサーの中に飼われた金魚って、あまりにストレートすぎますでしょ。よくこんなのを象徴的に映しだして恥ずかしくならないのか、あきれ返ってしまいます。行定監督ってのは、キェシロフスキのイベントなんかにも顔出してるようだけど、自分の作った映像に酔いすぎだね。金魚ミキサーのどこがいいんだか、確かに色的にはきれいだったが。 そして何よりも最大級に恥ずかしいのは、Humpbackというインディーズだかなんだか、この映画のためにでっちあげたんでしょうか、しかしエンドロールのクレジットにはしっかり主題歌 Humpback "Torch Song" と記されてた。作曲朝本浩文。朝本もこんなことやってたらアカンわ。なんかちらっとDJとして出演してたらしいが、朝本浩文はUAのプロデューサーですね。朝本はまぁどうでもエエです。 話を元に戻して、問題はこの"Torch Song"ですワ。はじめの方でサキコ(つぐみ)がポロンポロンとギターで弾いていて、それを聞き覚えていたミヤコ(麻生久美子)が、新谷(永瀬正敏)に聞かせると、これがキーになってんだね。で、がちょーんと退いてしまうのが、山場となるシーンでバックに 自分の居場所をみつけられずに 泳ぎ疲れて・・・・・ 欲望と現実の深い海に この身を投げる ナイフより冷たいこのからだ・・・・ をを〜っと、恥ずかしくないか。夜中に、心斎橋筋なんかでフォークギターもって歌うとる小僧でもこんなの歌わないぞ。虫酸が走るって。こんなのを決めのシーンでこれ見よがしに流したらアカンでしょ。この種の歌がたまらなくイヤなのは、「自分の居場所をみつけられずに」なんてことを言ってしまったらおしまいだよ、それは言わない約束でしょってことを臆面もなく、いかにも、オレは悩んでんだよって調子で歌い上げること。そのようなのを、はっきりと映画の中で、ずこーんと前面に出されてしまったら、おまけにエンドロールでも流してんだから、終わっちゃってます。 ところで『贅沢な骨』ってなん? まさか、はじめに種明かしされてしまう「うなぎの骨がのどにささって・・・・それにしても贅沢な話よね」じゃないよな、って、思って見ていたが、やっぱりそんでおしまい。 さて、もういっちょ、麻生久美子ってなん? だいたい、ホテトル嬢って設定がむちゃすぎる。安易すぎる。そしてホテトル嬢でありながら、一瞬たりともビーチクのビの字も露出させない。いったい何様なの。脱ぎゃーいいってもんじゃないけど、他に見せられる芝居してますか? これじゃ脱がない日活ロマンポルノ以下です。それにくらべたら、つぐみのほうが、ばっと脱いでくれるワ、かなりきわどい永瀬とのからみもあるし、麻生久美子と比較するからか、まだこっちのほうが見れる。をつぐみのパートを見ていると、ををー、日活ロマンポルノがなくなったあとのロマンポルノってラインに達してます。☆はつぐみの分だね。
監督 行定勲 プロデューサー 行定勲 / 益子昌一 脚本 行定勲 / 益子昌一 撮影 福本淳 美術 佐々木尚 編集: 今井剛 音楽 朝本浩文 / MOKU 照明 市川徳充 出演 麻生久美子 / つぐみ / 永瀬正敏
2003年12月11日(木)
|
|
|