あいうえお順INDEX 



 チャン・ソヌ『LIES / 嘘』 (1999 韓国) ★★

 韓国での上映差し止め騒ぎやら、「これは良ろしくない映画」とローマ教皇が言うたとか、「芸術かポルノか」とか、とにかくスキャンダラスな話題だらけ。かくいうボクもスケベごころで見たわけですが。。。。(汁)
 処女を捨てるなら相手は自分で決めたいという女子高校生Y(キム・テヨン)と、20歳年上の彫刻家Jがテレクラかで知りあって、初対面からやる目的で出会う。そのあと二人のセックスはどんどんエスカレートして。。。。という話。
 このキム・テヨンって女優さん、まったくもって素人っぽく、この映画がデビュー作。で、映画の冒頭に、このキム・テヨンにインタビューして、「いよいよ脱ぐんですネ」などと言わせている。ん?これって、素人(眉唾)の女の子を連れてきて、撮影前に「初体験は?」とかいろいろとエロインタビューをやるというのが、最近の日本のエロビデオのひとつのパターン。といってもここ1年ほど全く新しいのは見てないのだが。このインタビューパターンを創ったのって、村西とおるじゃなかったっけ? だからこのパターンは10年以上も続いてるわけですね。たぶんそのパクリというか、そのパターンを踏襲したんでしょ。
 それから、大杉漣あたりがやったらぴったり来そうな役回りのJのイ・サンヒョン、これも映画はお初で、ベルリン国立造形美術大学大学院 彫塑科卒業の彫刻家だそうで、この映画の中でも彫刻家として出てるわけ。原作の『私に嘘をついてみて』ではどういう設定になってたんか知らんけど、男優も女優も地のまま。こちらの男優にもしょっぱなにインタビューという形で、映画に出ての感想をしゃべらせている。
 そして、Yの友達のウリとYがJをめぐって派手なケンカをやってみせるところでも、そのシーンは監督の「カット」の声が入り、スタッフが写り込む。
 このような手法で、この二人の物語をより作り物と見せかけている。つまりここに描かれたのは現実に存在する男と女を使ってますが、描かれているのは「嘘」ですよぉー、とでも言いたげな。でもこうしたレトリックって本当に成功してるのかというと、?が基本の35個くらいつくんだよなぁ。これで勃起しなけりゃ、2倍だね。
 ポルノでありながら、芸術のようにみせかけてるにすぎないんじゃないかって気がして仕方がない。要するにエロビデオとは一線を画したいんだよという鼻持ちならない面が目について仕方ない。ポルノのどこが悪いんだと開き直りきれてないのだ。とすると、挑発的とも思えるスキャンダラスな話題も、営業だったんじゃないかとまで思える。
 しっかりやらかしてくれてる分だけが救いかなぁ。でもいまいちそそられない。


Gojitmal (Lie)
製作 シン・チョル
監督・脚本 チャン・ソヌ
原作 チャン・ジョンイル『私に嘘をついてみて』
撮影 キム・ウヒョン
美術 キム・ミョンギョン
音楽 タルパラン
出演 イ・サンヒョン / キム・テヨン / チョン・ヘジン / ハン・クァンテク

↑投票ボタン



2004年01月10日(土)
 ≪   ≫   NEW   INDEX   アイウエオ順INDEX   MAIL   HOME 


エンピツ投票ボタン↑
My追加