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 ロベルト・ロッセリーニ『無防備都市』 (1945 伊) ★★★★

世界史、ちゃんと勉強しとらんかったからねぇ^_^; 第2次世界大戦というのはヨーロッパでは、ドイツとイタリアのファシズムが連合を組んで、最初に降参したのがイタリアで、「イタリアはとんだチキンで、この次戦争やるならまた日本と組みたい」なんてとんでもないことを言うドイツ人もおるとか。それはそれとして、イタリアが降参したのは連合国に対してでもなかったようで、ムッソリーニ体制が崩壊したあとに、ナチスが乗り込んできて、占領してしまった。イタリアのパルチザンの抵抗運動が当然のように起こって、というのが歴史的な経緯のよう。で、このようなことを考えてみるにつけ、当然のようにかの国による占領支配に対して、パルチザンの抵抗というのも当然のことと思えてくるんだがね。
この映画、ドキュメンタリーのようでまったくそうじゃなくて、一説によると、ナチス支配下にあって、隠し撮りされたというが、あんまりそれらしきシーンってのは見あたらない。むしろ、すべてが歴史的事実に基づいてつくられたフィクションでしょう。実際、逮捕されたフランチェスコを追いかけるピナが銃殺されたというのは事実らしい。フィクションはフィクションなんだけれど、それ以上にしっかり筋立てられたドラマなんだよね。マリーナと女間諜との同性愛をにおわせるシーンなんてのはみごとに空振りに終わってしまってるけどな。司祭ピエトロがパルチザンのメンバーに会いに行くときに、トルソーの向きを変えるところなんかはホッとさせてくれる。
ベルイマン^_^;だっけ、占領軍の長官の部屋の隣が拷問部屋になっていて、その反対側の部屋がナチスの頽廃部屋。だいたいナチスの内情ってのはかなり爛れていて頽廃きわまりなかったんだろうけれど、映画でも極力頽廃的に描かれる。『愛の嵐』ほどじゃないにしろ、この映画でもしかり。だけれど、頽廃性を訴えたかったわけでもなかろういし、映し出すだけの余裕なんか、まだなかったんだと思う。
で、やっぱりラストシーン。ゴルゴダの丘、なんだよねぇ。そしてパルチザンの子どもたちが力無く歩いていく、その向こうにサン・ピエトロ大寺院が見えて。
それにしても、こういう映画が、1945年に出てくるというのがすごいやね。かのCinecittaは避難民収容所になってたという。
ちなみにマルーン・バグダディ監督の「無防備都市 ベイルートからの証言」(1991)というカンヌで審査員賞を受賞した映画があるが、この映画の原題にも「無防備都市、という文言はない。


Roma, citt aperta
監督 ロベルト・ロッセリーニ
原作 セルジオ・アミディ
脚本 セルジオ・アミディ / フェデリコ・フェリーニ
撮影 ウバルド・アラータ
音楽 レンツォ・ロッセリーニ
出演 アルド・ファブリッツィ / アンナ・マニャーニ / マルチェロ・パリエーロ / マリア・ミーキ


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2004年06月06日(日)
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