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 神代辰巳『ミスター・ミセス・ミス・ロンリー』(1980 日) ★★★★


なんてったって原田美枝子でしょー! う〜んとね、原田美枝子って名前がどーんと出てきたのが、『青春の殺人者』だったか。そのあと同じ神代監督が原田美枝子をつかって『地獄』だけど、これはいまいちで、そしてこの『ミスター〜』
原田芳雄、宇崎竜童という組み合わせの中で、原田美枝子が光ったというほうが正しいかもしれない。そこに三國連太郎、名古屋章でしょ。とくに名古屋章がいいのな。こういう濃ゆい男連中に囲まれたら、そら光るってもんです。
この映画の中で何度か原田美枝子が口ずさむ中島みゆきの「わかれうた」、これが原田美枝子にばしっとはまった。あまりにはまりすぎていたから、見る側には、逆にその原田美枝子のイメージから抜け出せなくなった。彼女自身はどうだったのか知らんけど。
時代を感じさせるといえば感じさせる。たぶん、半崎市雄(宇崎竜童)の部屋にあったピンボールは村上春樹の『1973年のピンボール』(1980)を思い起こさせる。中島みゆきの「わかれうた」が78年だけれど、80年にはアルバム『生きていてもいいですか』でしょ。映画でいえば、東陽一監督/桃井かおり『もう頬づえはつかない』が79年、藤田敏八監督/田中美佐子『ダイアモンドは傷つかない』が82年。なんか時代ってのがわかるでしょ。ちょっと、く・ら・い。。。その一方でウエストコーストで"Take It Easy"なんて歌ってたような記憶も。でもいま見るとなんだかせつないね。
たとえば、原田美枝子が、ローラースケート(これだってその当時の流行りだ)を履いた宇崎竜童の足に乗ってるシーンなんて、何を思い出すというわけでもないけれどせつなくなってしまうんだよ。それとか、横田基地だよね、基地のまわりを三崎(原田芳雄)がジョギング、あ、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』か、この三崎が住んでいた家というのは福生のキャンプ跡ですか。
と、いうふうに考えてみると、神代監督にしてはやけにその当時の現在をとりこんでいてアカヌケている。もっと泥臭いはずだったんだけどね。福生のキャンプ跡に住むブラックの子どもを抱えたオンナも映し出されるんだけれど、あれはちょっと神代の勇み足といってもいいか。どうもまとまりに欠けるというべきか、とにかく長すぎるわ。もう30分は縮められていてもよかったはず。いちおう15億円の金の流れというサスペンスでもないストーリーがあるにはあるけれど、そんなのどうだっていいです。

 
監督 神代辰巳
製作 市山達巳??/?原田美枝子?/?佐々木史朗
原案 刹那?
脚本 刹那 /?神代辰巳
撮影 押切隆世?
音楽 千野秀一?
美術 大谷和正?
出演 原田美枝子 / 宇崎竜童 / 原田芳雄 / 名古屋章 / 草野大悟 / 天本英世 / 三國連太郎


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2004年06月13日(日)
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