HOME / FUNK / LINK / maggot / map

まごれびゅ

 
 あいうえお順INDEX 



 実相寺昭雄『曼陀羅』 (1971 日) ★★★★☆


ボクにとっては『無常』(70)、『曼陀羅』(71)、『哥』(72)を作った実相寺昭雄とウルトラマンの実相寺昭雄とはいまいちつながらないんだけどね。この音楽の冬木透って人はウルトラマンフリークにははずせないんでしょ。ウルトラマンだけじゃなくて、実相寺監督と冬木透とはべったりなんだね。脚本は3作とも大島組の石堂淑朗、編集の浦岡敬一は60〜70年代にかけてこの系の映画には判をおしたようにクレジットされている。美術の池谷仙克は実相寺監督とずっと一緒に仕事していて、清順の『陽炎座』、『夢二』でも美術担当。あと撮影の稲垣涌三は円谷プロにて伝説の実相寺作品、怪奇大作戦「京都買います」等の撮影を担当してたらしい。
田村亮は言わずと知れた田村三兄弟(実際は四兄弟)の末っ子。清水紘治、岸田森、草野大悟というのは、当時では黒テントがらみ。若林美宏はカメラマン吉岡康弘の彼女で、彼女をモデルにした『獣姦』(71)でかなり話題になっていた。桜井浩子はウルトラマンシリーズでフジアキコ隊員、江戸川由利子の役で出てたらしい。森秋子は仮面ライダーに出てたらしい。森秋子という名前は当時の演劇関係で聞いたことあるような気がするけど不明。あと花柳幻舟は花柳流家元・花柳寿輔にナイフで切りつけたって事件は80年のことか。

と、まぁ、あらかたのスタッフ・キャストの紹介してみました。なんか濃ゆいというか、怪しいというか。実際、今となってはかなりキワモノ的な映画だなぁ。こんなのをごくふつーに見てたのだ。共同体・コンミューンったってね、今じゃなんじゃそれってもんでしょ。映画の中でも語られる「(大学紛争の)バリケードの中にこそコンミューンは存在した」というのはほんとうにその当時にまじに語られていたこと。ユートピアを求めて、それが破綻するっていうテーマにしたって、当時の演劇で盛んに引っ張り出されたテーマだった。それが変質してオウムになってしまったと言えなくもないんだが。少し無理っぽいけれど、デレク・ジャーマンの『ラスト・オブ・イングランド』も連想してしまった。
いきなり最初から全裸のからみシーン。この映画を見ていて、過激だったんだなぁとつくづく思った。今ならヘアなんか写ってたりもするんだけど、ただ見えているというだけでエロくないのな。それに比べて、をいをいこんなに過激なからみだったかって思ってしまった。もちろん当時だってピンク映画もあったし、日活ロマンポルノの創成期だったんだけど、このからみはエロいよなぁ。ウルトラマンフリークにとっては、まさかフジアキコ隊員がこんな濡れ場を演ってたのかと度肝抜かれるよ。
エロいってことだけじゃなくて、ラストでぎらっと日本刀が光るのなんて、十分に連想させてくれて、無理やり想像させとんだけどね、若松の『天使の恍惚』といい、やっぱ過激な時代だったんだなぁって。鴨川の河原の赤ヘルはしょぼいですけど(苦笑)

 
監督 実相寺昭雄
製作 淡豊昭
脚本 石堂淑朗
撮影 稲垣涌三
美術 池谷仙克
編集 浦岡敬一
音楽 冬木透
出演 田村亮 / 桜井浩子 / 清水紘治 / 森秋子 /岸田森 / 若林美宏 / 草野大悟 / 花柳幻舟


↑投票ボタン



2004年06月17日(木)
 ≪   ≫   NEW   INDEX   アイウエオ順INDEX   MAIL   HOME 


エンピツ投票ボタン↑
My追加