出演は下に記した５人だけ。撮影場所はマンションの一室とどこか荒れ果てた埋め立て地(?)の２ヶ所だけ。なんとう低予算。金かかっとらんなぁ(^_^;)
べつに何億とどかっと金をかけたからいいってわけじゃない。むしろ逆にお金をかけずにいい映画ができる、そのほうがいいのに決まっている。しかし、もうちょっと金かけろやと思わせてしまうのも、見ていてさびしいものがある。
視覚的に非常に退屈なんだよね。食事シーンばっかり。夫婦の生活、家族生活の中心になるのは食事だと言えなくもないのだが、あまり見ていて楽しいもんじゃない。それとぼそぼそと言葉少なな時間がやたら引き伸ばされる。切れ味がないんだよ。ラスト近くの「やりなおせないか」という離婚が決まった二人ががらんとした語るところでも、ずっと逆光でしょ。確かに現実にありうる事象をとらえて、ぽっと投げ出そうというねらいかもしれないけれど、現実というのは退屈なんだよ。
塚本晋也に片岡礼子という組み合わせにもっと期待したけどね。あと火田詮子と海上宏美って名古屋のアングラ演劇界では知る人は知るという存在らしいが、演劇と映画じゃ芝居の質がちがうはず。塚本・片岡のせりふ回しに対して、火田のせりふが妙に浮いてしまってる。
話としては、夫婦の間のすれ違いが、風呂で溺れるという不条理な事件によって浮き上がってきた。テーマとしてはおもしろいけど、とにかくもう少し、金と時間をかけてほしいよ。
それと片岡のモノローグ、いらんよねぇ。種明かしにもなってない。

製作･監督･脚本 一尾直樹
撮影 山崎のりあき
音楽 エモーショナル・アワ / 南野梓
出演 片岡礼子 / 塚本晋也 / 火田詮子 / 上馬場健弘 / 海上宏美

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2004年06月27日(日)