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まごれびゅ

 
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 チャン・イーモウ『上海ルージュ』 (1995 中, 仏) ★★★☆


上海マフィアのドン唐(リー・パオティエン)の配下で働く叔父の六叔(リー・シュエチェン)を頼って少年・水生(ワン・シャオシャオ)が田舎から出てくる。水生がついたのは、唐の愛人でシンガーの小金宝(コン・リー)だった。
その水生の目から見た上海の暗黒街の抗争と小金宝をめぐる愛憎がたったの7日間という短い間に凝集されている。
この7日間という時間の流れではふつうとてもじゃないけど、無理っぽいでしょ。実際見ていてもっと長い時間が流れたかに見えるのに、1日ずつ送られる区切りとなる日付ではたったの7日間しか経過していない。別に回想シーンがひどく盛り込まれているわけでもないのに、たったの7日だぞ。これってこれでオッケーなんでしょか。《○日目》と大きく映し出されるのでね、納得してしまってるけど、実際には7章立てのドラマなんだよね。詳しいことはようわかってないのだが、中国の伝統的な形式として、七言絶句とかね、たぶんそうなんでしょ。ふつうの映画の作り方(どんなんかようわかっとらんけど)としてはほんとに無理っぽいのだが、そうした伝統(これもようわかっとらん…^_^;)を踏まえることでまとまりがついている(ということにしとこ)。
きっとね、水生がこの何年かのちに上海のドンとなるであろうことまで予感させてしまって、そのようにまとまりがついてしまったということでどこか物足りなさを感じるのも事実。
ところでこの上海の時代というのは『上海バンスキング』や『上海異人娼館』などと同じ1930年代なんでしょ。日本人などが描くと必要以上に記号として上海をもちだすのだけど、妙にさらっとしている。ダンスホールであるとか、もっとも上海が華やかりし頃ではあるのだが、そんなに時代を感じない。ごく近い現代のようにも思える。実際には文革などにもまれて、このような暗黒街が現出していたわけじゃないから、やっぱり30年代なんだろうけど。
それってコン・リーにその時代を感じさせない、もっと現代的なにおいがあるからなのか。中国の山口百恵って言われてるんでしょ。ソフィスティケートされてんだよなぁ。ラストではただの飾りものでなかったというとkろを見せてくれてかっこいいのだ。
リー・パオティエンが渋くてかっこいいな。唐旦那の中国風マフィア的怖さ(どんなんやねん…^_^;)がじわっと残ってしまったよ。
SHANGHAI TRIAD
監督 チャン・イーモウ
製作 ジャン=ルイ・ピエール / イヴ・マルミオン / ウー・イゴン
原作 リー・シャオ
脚本 ビー・フェイユ
撮影 リュイ・ラー
音楽 ツァン・グァティエン
出演 コン・リー / リー・パオティエン / リー・シュエチェン / ソン・チュン / ワン・シャオシャオ


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2004年08月16日(月)
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